28日(現地時間)、サッカーロシアW杯グループG最終節がカリーニングラードで行われ、ベルギー代表がイングランド代表に1対0で勝った。前半を0対0で終えると、後半6分にベルギーが先制に成功した。MFアドナン・ヤヌザイのゴールでリードを奪ったベルギーは、GKティボー・クルトワを中心にイングランドの反撃をゼロで抑えた。3連勝のベルギーはグループGをトップ通過。決勝トーナメント1回戦はH組2位の日本と対戦する。敗れたイングランドは2位で、H組1位のコロンビアと戦う。

 

 決勝T見据え、両軍主力を温存(カリーニングラード)

イングランド 0-1 ベルギー

【得点】

[ベ] アドナン・ヤヌザイ(51分)

 

 既に決勝トーナメント進出が決まっている両チーム。この試合の結果で、グループリーグ(GL)の通過順位が決まる。いずれも前節からスターティングメンバー9人入れ替えるなど、主力選手を温存することを優先した。

 

 序盤はベルギーが攻勢を仕掛ける。前半6分、MFナセル・シャドリが右サイドから内に切り込み、中央にパスを送る。ミドルレンジからMFユーリ・ティーマレンスが強烈なシュートを放ったが、イングランドの守護神ジョーダン・ピックフォードが外へ弾き出した。

 

 10分にはゴール目前と迫った。右サイドでボールを持ったヤヌザイがファーサイドへクロス。MFマルアン・フェライニが頭で折り返すと、FWミチ・バチュアイが合わせようとして混戦状態となる。GKが飛び込むもボールはゴールへ転がっていった。ベルギーが先制するかと思われたが、ここはDFガリー・ケイヒルがクリア。イングランドは難を逃れた。

 

 イングランドは守備陣が身体を張って、ゴールを守る。27分には右CKからMFトルガン・アザールがファーサイドへクロスを上げると、フェライニが胸トラップからシュートを放った。DFトレントアレクサンダー=アーノルドが足を伸ばしてブロック。ゴールを割らせない。

 

 攻撃ではジェイミー・ヴァーディー、マーカス・ラッシュフォードの2トップを軸に攻めたが、ビッグチャンスはつくれなかった。このまま前半はスコアレスで終えた。

 

 すると後半6分、均衡は破られた。右サイドでヤヌザイがボールを持つと、中央のティーレマンスに預ける。ティーレマンスがタメをつくり、ペナルティーエリア内右に侵入したヤヌザイにリターンパスを送った。ヤヌザイは足裏でボールをコントロールし、DFを揺さぶる。横の動きでマークを外すと、左足を振り抜いた。シュートはゴール左に吸い込まれ、ベルギーが先制した。

 

 ベルギーはこのリードを最後まで守り切った。21分にヴァーディーのスルーパスから抜け出したラッシュフォードにGKと1対1の場面をつくられたが、クルトワがファインセーブ。シュートを指先で触れ、枠の外に追いやった。38分にはCKのこぼれ球を途中出場のFWダニー・ウェルベックに拾われ、シュートを打たれたもの、今度はフェライニが右足でブロックした。

 

 FWロメル・ルカク、MFエデン・アザール、MFケビン・デ・ブルイネら主力を温存したベルギーだが、代わりに出場した選手たちが非常にモチベーション高くプレーしているように映った。負傷していたDFヴァンサン・コンパニも途中交代で入るなど、フィールドプレーヤー全員がGLのピッチに立った。累積警告での出場停止もない。理想的な展開で決勝トーナメントに進める。

 

 日本戦ではリフレッシュしたルカク、E・アザール、デ・ブルイネが襲いかかってくるだろう。この試合で良い動きを見せていたヤヌザイ、バチュアイ、フェライニも途中から出てくれば脅威だ。受け身に終始してしまえば、“赤い悪魔”の餌食になる。

 

(文/杉浦泰介)