28日(現地時間)、サッカーロシアW杯グループG最終節、パナマ代表対チュニジア代表の一戦がサランスクで行われた。試合はチュニジアが2対1でパナマに勝利した。前半33分にパナマがオウンゴールで先制。後半6分にチュニジアのファハルディン・ベンユセフがゴールネットを揺らし同点に追いつき、21分にワフビ・ハズリのゴールで逆転した。

 

 先制するも、W杯初勝利ならず(サランスク)

パナマ 1-2 チュニジア

【得点】

[パ] オウンゴール(33分)

[チ] ファハルディン・ベンユセフ(51分)、ワフビ・ハズリ(66分)

 

 パナマもチュニジアもすでにグループリーグ(GL)敗退が決定していたが、W杯初出場のパナマは初勝利を狙い、チュニジアはW杯40年ぶりの勝利を目指して最終節を戦った。

 

 前半からチュニジアがボールを支配し、パナマが自陣に引き守備に徹した。6分、チュニジアのFWナイム・スリティが左サイドからクロスを入れるとFWファハルディン・ベンユセフが合わせたが、パナマGKハイメ・ペネドが止めた。10分にもチュニジアがチャンスをつくった。ロングボールをペナルティーエリア手前でFWワフビ・ハズリがダイレクトで落とす。これに反応したスリティがダイレクトでシュートを放ったが大きくふかした。

 

 すると、33分だった。パナマが歴史的初勝利に向けて大きな先制点を奪う。DFロマン・トーレスとのワンツーでボールを受けた19歳のFWホセルイス・ロドリゲスがペナルティーエリア外から左足を振りぬく。ボールは相手DFに当たりコースがかわりゴールネットを揺らした。

 

 チュニジアはロングボールからポストプレーでボールを落としシュートを放つシーンをつくるが得点には至らなかった。

 

 後半に入るとチュニジアが牙をむいた。6分、スリティが右サイドのハズリへ展開。ハズリがダイレクトで中へ折り返すとゴール中央でベンユセフが右足インサイドで押し込み同点に追いついた。

 

 21分には途中出場のFWアニス・バドリとのパス交換で左サイドを突破したDFウサマ・ハダディがグラウンダーのクロスを供給。これをファーサイドのハズリが右足で合わせて見事、逆転に成功した。 歴史的な初勝利を目指すパナマは敵陣に入り込む回数こそ増えるが、ゴールを奪うまでには至らず、無情にもタイムアップの笛がなった。

 

 両チームともGL敗退は決まっていたが、国の威信をかけた熱い戦いが繰り広げられた。特に、パナマの先制点を決めたロドリゲスはまだ19歳。将来が楽しみな逸材が世界の大舞台で結果を残し、パナマのW杯は幕を閉じた。

 

(文/大木雄貴)