30日(現地時間)、サッカーロシアW杯決勝トーナメント1回戦のフランス対アルゼンチンがカザンで行われた。試合はフランスが4対3でアルゼンチンに勝利した。前半13分にフランスのFWアントワーヌ・グリーズマンが先制するが41分にアルゼンチンのFWアンヘル・ディマリア、後半3分にDFガブリエル・メルカドに決められた。12分にDFバンジャマン・パバール、19分と23分にFWキリアン・エムバペが決めてフランスがリードを広げた。後半アディショナルタイムにFWセルヒオ・アグエロのゴールで1点差に詰め寄られたが、逃げ切りに成功した。

 

 エムバペ、スピードで翻弄!(カザン)

フランス 4-3 アルゼンチン

【得点】

[フ] アントワーヌ・グリーズマン(13分)、バンジャマン・パバール(57分)、キリアン・エムバペ(64分、68分)、

[ア] アンヘル・ディマリア(41分)、ガブリエル・メルカド(48分)、セルヒオ・アグエロ(45+3分)

 

 合計7ゴールが生まれる大味な試合となった。打ち合いを制したのは20年ぶりの世界一を目指すフランスだった。

 

 11分にエムバペが快速ドリブルでペナルティーエリア内に侵入するとアルゼンチンのDFマルコス・ロホに抱え込むように倒される。判定はPKとなり、これをキッカーのグリーズマンがゴール中央に決めてフランスが先制した。

 

 ところが、41分。アルゼンチンが左サイドのスローインからパスをつなぐ。ペナルティーエリア手前中央のディマリアにボールが渡ると、思い切り左足を振り抜く。シュートはゴール右隅に突き刺さった。

 

 後半開始早々に、アルゼンチンが一時逆転する。右サイドからのFKのこぼれ球をペナルティーエリア右でFWリオネル・メッシが拾う。シュート性のクロスを入れると、メルカドが左足でコースを変えてゴールネットを揺らした。

 

 それでもフランスは慌てなかった。12分、DFリュカ・エルナンデスが左サイドを突破しマイナスのクロスを入れる。これをペナルティーエリア外右サイドからパバールが右足アウトにかけたハーフボレーを放つと、ゴール左に決まった。シンプルに相手の裏を突いた攻撃が奏功した。

 

 19分もフランスはまたしても左サイドを崩して得点を奪った。エルナンデスが左サイドを突破してクロス。ペナルティーエリア内でこぼれ球をエムバペが拾い左足で得点を決めた。

 

 23分にはMFブレーズ・マテュイディ、FWオリビエ・ジルーとつなぐ。ジルーが右サイドのスペースにスルーパスを出すと、快速を飛ばしてエムバペが追いつく。これをダイレクトで落ち着いてゴール右に流し込んだ。

 

 フランスは後半アディショナルタイムにアルゼンチンのアグエロにゴールを許したが4対3で逃げ切りに成功した。弱冠19歳でフランスの10番を背負うエムバペがPK誘発に2ゴールと大舞台で大暴れした。

 

(文/大木雄貴)