30日(現地時間)、サッカーロシアW杯決勝トーナメント1回戦のウルグアイ対ポルトガルがソチで行われ、ウルグアイが2対1で競り勝った。前半7分、ウルグアイがFWエディンソン・カバーニのゴールで先制した。後半10分にポルトガルがDFペペの得点で追いつくが、17分にカバーニのこの日2点目のゴールでウルグアイが勝ち越した。

 

 スアレス、先制アシスト(ソチ)

ウルグアイ 2-1 ポルトガル

【得点】

[ウ] エディンソン・カバーニ(7分、62分)

[ポ] ペペ(55分)

 

 伝統的に堅守速攻を得意とするウルグアイらしい試合だった。ボール支配率はわずか38%。それでもスコアでヨーロッパチャンピオンを上回った。

 

 先制点は前半7分に生まれた。右サイドからカバーニが逆サイドにいたFWルイス・スアレスにサイドチェンジのパスを送る。カバーニはそのままペナルティーエリア内に向かいランニング。スアレスはドリブルでキープした後にファーサイドにクロスを供給。これにカバーニが頭で合わせて見事ゴール。たった2人の連携で手数をかけずにウルグアイがゴールを奪ってしまった。

 

 ポルトガルはボールを保持するが、バイタルエリアではパスをつなげなかった。DF4人、MF4人がスペースを消すウルグアイの陣形に手を焼いた。

 

 前半終了間際にもウルグアイがチャンスを作った。DFディエゴ・ゴディンがピッチ中央からロングボールを蹴ると、これがペナルティーエリア内左にいたカバーニに渡る。カバーニはワントラップして右足ボレーを放ったがゴール左に外れて試合を折り返した。

 

 このゲーム、ポルトガルはウルグアイの厳しいマークを外すために、執拗にショートCKを使った。後半10分にその策が功を奏した。左サイドからのCKをショートでつなぎDFラファエル・ゲレイロがクロスを入れると、フリーで待ち構えていたペペがヘディングで合わせて同点に追いついた。

 

 しかし、この日のウルグアイの手数をかけない攻撃は鋭かった。ポルトガルの一瞬の隙も逃さない。17分、ウルグアイのGKフェルナンド・ムスレラがポルトガル陣地にロングボールを蹴る。MFロドリゴ・ベンタンクールがボールを受けると、ペナルティーエリア手前左のカバーニへスルーパス。これをカバーニは右足インサイドでカーブをかけてゴール右隅に決めた。自陣ゴール前からたった2本のパスで効率よく勝ち越し点を奪った。

 

 焦りが見えるポルトガルはFWクリスティアーノ・ロナウドにボールを集めるが、ウルグアイは相手のエースに決定的な仕事をさせることなく、タイプアップ。粘り強い守備をベースにウルグアイが準々決勝に駒を進めた。

 

 ウルグアイのスアレスとカバーニが組む2トップは今大会屈指である。だが、後半29分にカバーニは負傷により交代を余儀なくされた。カバーニが準々決勝のフランス戦に間に合うかが、ウルグアイ躍進のキーポイントになりそうだ。

 

(文/大木雄貴)