2日(現地時間)、サッカーロシアW杯決勝トーナメント1回戦のブラジル代表対メキシコ代表の一戦がサマーラで行われた。試合は2対0でブラジルが制した。後半6分にブラジルがFWネイマールのゴールで先制。後半43分には途中出場のFWロベルト・フィルミーノが得点を奪ってブラジルが勝利した。

 

 スコア以上の差を見せつけて勝利!(サマーラ)

ブラジル 2-0 メキシコ

【得点】

[ブ] ネイマール(51分)、ロベルト・フィルミーノ(88分)

 

 前回大会、ブラジルは準決勝でドイツ相手に1対7と大敗を喫した。今回は汚名返上のために優勝を目指す。一方のメキシコは1986年大会ぶりのベスト8進出をかけてこの一戦に臨んだ。

 

 試合開始からペースを掴んだのはメキシコだった。前半2分、ゴール前のこぼれ球をMFアンドレアス・グアルダードが拾ってシュートを放ったがブラジルのDFミランダにブロックされた。13分には右CKからのクロスにMFラファエル・マルケスが飛び込むがわずかに合わず。18分には左サイドのMFカルロス・ベラが逆サイドのFWイルビング・ロサーノに展開。ロサーノはシュートを放つがブラジルDFのフェリペ・ルイスにブロックされた。

 

 メキシコは20分までに得点できなかったことが大きく響く。これ以降、ブラジルが主導権を握る。

 

 25分にネイマールが、27分にはMFフェリペ・コウチーニョがシュートを放つ。33分にもコウチーニョのシュートの跳ね返りをFWガブリエル・ジェズスが左足でゴールを狙うがメキシコDF陣に防がれた。ゴールネットは揺らせなかったものの、ブラジルは勢いに乗ったまま試合を折り返した。

 

 後半に入っても、ブラジルはペースを緩めなかった。6分、ブラジルのエースが結果を出す。ネイマールが左サイドから中に切れ込み、ヒールキックでFWウィリアンとスイッチし、ボールを預けてゴール前に走り込む。ウィリアムは左サイドをえぐって低く速いクロス。これにネイマールが滑り込みながら右足で合わせて先制点を奪った。

 

 14分には右サイドをオーバーラップしたDFファグネルがグラウンダーのクロスを入れる。これにMFパウリーニョが右足インサイドで合わせるが、メキシコGKのギジェルモ・オチョアが防いだ。

 

 追い込まれたメキシコはリスク冒して攻めに出るしかなかった。しかし、ブラジルアタッカー陣が広大なスペースを利用しカウンターを仕掛ける。ネイマールやウィリアムが簡単に単独でメキシコゴール前までボールを運ぶ勝ちパターンで時計の針を進める。

 

 41分にはフィルミーノがMFコウチーニョに代わってピッチに入る。この采配が2分後に奏功した。前がかりになったメキシコからボールを奪うとカウンターでネイマールが左サイドを抜け出す。十分にメキシコGKの注意を引きつけて右足のつま先でゴロのパスをゴール前に送る。これをフィルミーノが押し込んでダメを押した。あとは守備を固めてブラジルが無失点で試合を終えた。

 

 前半の途中からボールを保持して相手の体力を消耗させる。後半にまずは1点を奪い、相手が前に出ざるを得なくなったところに両サイドのネイマールとウィリアンの個人技でチャンスを作り、リードを広げる得意のパターンが今日も展開された。試合巧者ぶりをまざまざと見せつけてベスト8に駒を進めた。盤石のブラジルが前回大会の借りを返す可能性は十分にあり得る。

 

(文/大木雄貴)