10日(現地時間)、サッカーロシアW杯準決勝のフランス代表対ベルギー代表の一戦がサンクトペテルブルクで行われた。試合は1対0でフランスが勝利した。後半6分にDFサミュエル・ウムティティゴールでフランスが先制した。この得点を守り切り、フランスが3大会ぶりに決勝に駒を進めた。

 

 グリーズマン、CKから1アシスト(サンクトペテルブルク)

フランス 1-0 ベルギー

【得点】

[フ] サミュエル・ウムティティ(51分)

 

“事実上の”決勝戦とも言われた。今大会屈指の好カードは、フランスが制した。

 

 前評判から自力ではフランスが上と見られていた。しかし、序盤はベルギーにペースを握られた。6分にはFWエデン・アザールにフランスの右サイドを突破されて、クロスを入れられるがギリギリのところでDFがクリアー。16分にはMFケビン・デ・ブルイネのパスをアザールが受けると、左足でシュートを放たれた。19分にもアザールに左サイドから切り込まれシュートまで持っていかれた。得点には至らなかったが、相手のエースには手を焼いた。

 

 フランスは苦しい時間帯を凌ぐと、チャンスが訪れる。31分にはDFバンジャマン・パバールのクロスにFWオリビエ・ジルーがヘッドで合わせる。2分後にはFWアントワーヌ・グリーズマンが右足でゴールを狙う。34分にはグリーズマンの浮き球のパスをFWキリアン・エムバペが右サイドの深い位置で受け、ダイレクトで折り返す。中でジルーが合わせるがジャストミートしなかった。

 

 前半のうちに主導権を握り返したフランスが、後半に入ってもチャンスを作った。

 

 6分、MFブレーズ・マテュイディが左サイドからペナルティーエリア内のエムバペにパスを送る。エムバペが技ありヒールで後方に流すと、ボールを受けたジルーが反転しながらシュートを放った。ベルギーDFのバンサン・コンパニにクリアーされて、右CKを得た。

 

 このCKをグリーズマンがニアに鋭いクロスを供給した。このボールにウムティティがヘディングで合わせて、フランスが先制に成功した。高さに定評のあるベルギー相手に空中戦を制して奪ったゴールだった。

 

 先制後、フランスはベルギーに押し込まれる時間帯もあった。20分、途中出場のFWドリース・メルテンスにフランスの左サイドからクロスを入れられ、エリア内で身長194センチのMFマルアヌ・フェライニにヘディングで合わせられるが、シュートは枠をそれた。31分にはデ・ブルイネにミドルを放たれた。36分、MFアクセル・ヴィッツェルにも強烈ミドルを打たれるが守護神のウーゴ・ロリスがパンチングで防いだ。

 

 以降、フランスは前線の選手も低い位置まで戻り守備に参加した。今大会6試合で16得点を記録しているベルギーを相手に無失点で勝利を収めた。

 

 フランスは3大会ぶりのファイナルに駒を進めた。対戦相手はイングランドとクロアチアの勝者だ。自国開催だった1998年のW杯では主将を務めたディディエ・デシャンが、今度は指揮官として世界一の称号を掴み獲れるか。攻守ともにハイレベルな選手をそろえているだけに、フランスが世界の頂点に立つ可能性は高い。

 

(文/大木雄貴)