11日(現地時間)、サッカーロシアW杯準決勝のイングランド代表対クロアチア代表の一戦がモスクワで行われた。試合は2対1でクロアチアが勝利した。前半5分にDFキーラン・トリッピアーの直接FKでイングランドが先制した。後半23分にはFWイバン・ペリシッチの得点でクロアチアが追いつき、延長後半4分にFWマリオ・マンジュキッチが逆転ゴールを決めて決勝に駒を進めた。

 

クロアチア、3戦連続の延長戦(モスクワ)

イングランド 1-2 クロアチア

【得点】

[イ] キーラン・トリッピアー(5分)

[ク] イバン・ペリシッチ(68分)、マリオ・マンジュキッチ(109分)

 

 前半5分、イングランドがいきなり先制ゴールを決める。ゴール正面の絶好の位置のFK。キッカーのトリッピアーが放ったシュートは壁を越え、綺麗な放物線を描きゴール右に決まった。

 

 イングランドは12分、14分とCKを193センチの長身DFハリー・マグワイアに合わせるが追加点を奪えなかった。

 

 クロアチアのペリシッチが積極的にシュートを放つ。19分には左サイドから、21分には右サイドからカットインして左足を振りぬいたがゴールネットを揺らせなかった。

 

 後半に入ると、クロアチアが主導権を握りイングランド陣地に押し込む展開となる。イングランドは苦し紛れのクリアーで跳ね返すのが精いっぱいだった。

 

 すると23分、クロアチアが同点追いつく。DFシメ・ブルサリコが右サイドからゴール中央にクロスを入れる。これをファーサイドから飛び込んだペリシッチがイングランドDFのカイル・ウォーカーより一瞬先にボールに触りゴールに押し込んだ。前半から気を吐いていたサイドアタッカーが結果を残した。

 

 クロアチアは同点ゴール以降、攻撃に勢いが出た。27分にはペリシッチがエリア内左から仕掛けてひとりかわし左足でシュートを打つ。ボールはポストを叩き、リフレクションにFWアンテ・レビッチが反応したが、不運にもシュートはGKジョーダン・ピックフォードの正面にとんだ。

 

 38分にもクロアチアはチャンスをつくった。MFマルセロ・ブロソビッチのパスをマンジュキッチが収めて右足ボレー。これもピックフォードにセーブされた。

 

 クロアチアはたたみかけるようにイングランドゴールに迫ったが、ゴールネットをゆらせずに、3試合連続の延長戦に突入した。

 

 延長前半9分、イングランドが得意のセットプレーからゴールに迫る。右CKをトリッピアーがゴール中央へクロスを入れる。これをどんぴしゃりのタイミングでDFジョン・ストーンズが頭で合わせるが、ゴールライン上でクロアチアDFのブルサリコがヘッドで跳ね返すファインプレーを見せた。

 

 守備陣の踏ん張りがクロアチアに流れを呼び込んだ。延長後半4分、クロアチアがゴール前にクロスを入れるがイングランドDFにはね返される。このルーズボールをペリシッチがヘディングで押し返す。DFラインの裏に落ちたボールにマンジュキッチが反応し左足でゴール右に流し込み、クロアチアが逆転に成功した。

 

 クロアチアは足を止めることなく前からプレスをかけ続けてイングランドの自由を奪い、ボールを持つとうまく時間を使いタイムアップ。3戦連続の延長戦を制したクロアチアが初の決勝に駒を進めた。

 

 決勝はフランス対クロアチアのカードとなった。フランスは20年ぶりの、クロアチアは初の優勝をかけてモスクワでしのぎを削る。

 

(文/大木雄貴)