「マイナビオールスターゲーム2018」第2戦が14日、熊本・リブワーク藤崎台球場で行われた。全パは5回表、源田壮亮(埼玉西武)と甲斐拓也(福岡ソフトバンク)の連続タイムリーで先制。7回には今江年晶(東北楽天)の適時打で1点を追加した。8回に2点を加えた。全セは糸原健斗(阪神)のタイムリーで1点を返したが、及ばなかった。5-1で勝利した全パが通算成績を84勝78敗11分けとした。また試合前に行われたホームランダービーは筒香嘉智(横浜DeNA)が優勝した。

 

◇第2戦

源田、走攻守で魅せてMVP!(藤崎台球場)

全パ   5 = 000|020|120

全セ   1 = 000|000|010

(パ) 岸-○アルバース-石川-上沢-加冶屋-森
(セ) 菅野-大瀬良-●岩貞-上原-石山-山﨑-中﨑

 

 熊本初開催のオールスター。前夜は両軍のアーチ合戦となったが、この日は投手戦でスタートした。全セは菅野智之(巨人)、全パは岸孝之(楽天)と両リーグの防御率トップが先発マウンドに上がった。日本を代表する右腕エースの対決は共にストレート中心の強気のピッチング。菅野はノーヒット、岸は1安打で2イニングをゼロに抑えた。

 

 2番手は全セが大瀬良大地(広島)、全パがアンドリュー・アルバース(オリックス)。セ・リーグハーラートップの10勝を挙げている大瀬良は10球で全パ打線を料理した。9勝のアルバースもその裏、全セを三者凡退に切って取った。大瀬良は1イニングでお役御免。アルバースは4回裏も続投した。

 

 すると、1死から一、二塁のピンチを招く。バッターはウラディミール・バレンティン(東京ヤクルト)。当たり損ねの打球が三遊間に飛んだが、ここはショートの源田が軽快にさばいた。源田は二塁へ転送し、セカンドがファーストへ。ゲッツーを完成させ、窮地を脱した。

 

 好守備で魅せた源田は、攻と走でもアピール。三塁に松田宣浩(福岡ソフトバンク)を置いて、地元・熊本出身の岩貞祐太の変化球をセンター前に弾き返した。先制タイムリーを放つと、二塁を陥れる好走塁。続く甲斐のレフト前ヒットで、悠々とホームに還ってきた。源田の活躍で全パが2点のリードを奪った。

 

 6回表のマウンドには10年ぶりにNPBに帰ってきた上原浩治(巨人)が立った。11年ぶりの球宴。43歳3カ月での登板は全パ工藤公康(ソフトバンク)監督が持つ42歳2カ月の最年長記録を更新した。上原は1死一、二塁のピンチを招いたが、ここは何度も修羅場をくぐってきたリリーバーだ。松田と源田を切って取った。

 

 その後、全パ打線は後続のリリーフ陣に襲い掛かる。7回表に今江がアウトコースのボールに逆らわずライト方向へ。ベテランらしい巧みな一打で1点を加えた。8回表にはフルスイングが持ち味の柳田悠岐(ソフトバンク)と浅村栄斗(西武)が連続タイムリー。リードを5点に広げた。

 

 全セは8回裏に糸原がタイムリーで1点を返したのみ。全パ6人のピッチャー相手に7安打を放ちながら、チャンスでの併殺打などで波に乗れなかったことが響いた。全パ投手陣が無駄な塁を与えず、攻撃にリズムをつくったことも大きかった。

 

 第2戦のMVPは大分出身の源田が選出された。本人はマイクを向けられると「ビックリしています」と答えた。第1戦の森友哉に続く、西武勢のMVP獲得。この日の第2戦では源田の他、秋山翔吾がライトで好守、浅村が打撃で魅せた。パ・リーグ首位の勢いそのままに、真夏の祭典で獅子たちが大暴れ。16日から始まる後半戦に向けて、弾みをつけた。

 

(文/杉浦泰介)