フランス、20年ぶり2度目の世界一 ~決勝戦~
15日(現地時間)、サッカーロシアW杯決勝戦のフランス代表対クロアチア代表の一戦がモスクワで行われた。試合は4対2でフランスが勝利した。前半18分にオウンゴールでフランスが先制した。クロアチアは28分にFWイバン・ペリシッチなどがゴールを決めたが、フランスはFWアントワーヌ・グリーズマン、MFポール・ポグバ、FWキリアン・エムバペの追加点でクロアチアを突き放した。
エムバペがヤングプレーヤー賞(モスクワ)
フランス 4-2 クロアチア
【得点】
[フ] オウンゴール(18分)、アントワーヌ・グリーズマン(38分)、ポール・ポグバ(59分)、キリアン・エムバペ(65分)
[ク] イバン・ペリシッチ(28分)、マリオ・マンジュキッチ(69分)
フランスは20年ぶりの優勝をかけて、クロアチアは初の優勝をかけて戦った。序盤からボールを保持したのはクロアチアだったが、フランスも完全に主導権を渡したわけではなかった。
相手にボールを持たせて、耐えていると18分、フランスが先制する。右サイドからのFK。キッカーのグリーズマンがゴール前にクロスを供給。クロアチアのFWマリオ・マンジュキッチがクリアーを試みヘディングで触ったが、これがゴール左に決まった。ラッキーなかたちでフランスが得点を奪った。
ところが、10分後、クロアチアもセットプレーから同点に追いつく。左サイドのFKをMFルカ・モドリッチがファーサイドを走るDFシメ・ブルサリコに合わせる。ブルサリコがヘッドでゴール中央に折り返す。一度はフランスDFにクリアーされるが、ペリシッチが技ありトラップでDFをかわして左足を一閃。シュートはゴール右に決まりクロアチアが追いついた。
徐々にフランスがボールを奪い保持する時間が増える。この日はグリーズマンのセットプレーをきっかけに得点が生まれることが多かった。34分、フランスの右CK。グリーズマンはニアにボールを供給。これはペリシッチにブロックされたが、VAR(ビデオ・アシスト・レフェリー)が主審に助言し、ビデオ判定の対象プレーとなる。映像検証後、ペリシッチの手にボールが当たっていたため、フランスがPKを得る。これをグリーズマンがゴール右に決めた。
後半に入ると、フランスペースで試合が進んだ。14分、ポグバが自陣から右サイドのエムバペにスルーパス。エムバペが追いつき右サイドをえぐってクロスを入れる。グリーズマンがトラップし、ペナルティーアーク付近まで駆け上がってきたポグバに落とすと、右足でシュート。これは相手DFにブロックされたが、こぼれ球をポグバが今度は左足でシュート。ゴール右を狙いすましたシュートは見事、ゴールネットを揺らしてフランスがリードを広げた。
その6分後にはフランスの若きニュースターに光が当たる。左サイドバックのリュカ・エルナンデスが左サイドからペナルティーアーク付近のエムバペにパスが渡る。フランスの新10番はワントラップして右足でミドルを放つとこれがゴール左に決まった。その4分後に、クロアチアのマンジュキッチにゴールを奪われたが、安定感のあるフランスは2点のリードがあれば十分。イレブン全員、サボることなく守備に参加し時計の針を進めてタイプアップ。4対2でフランスが試合を制した。
今大会、フランスはスピードスターのエムバペ、テクニシャンでありながらストライカーとしても機能するグリーズマン、見事なポストワークを披露したFWオリビエ・ジルー、フィジカルの強さとテクニックを有するボランチのポグバらが見事にかみ合った。
2年前のEUROでは決勝に進んだものの涙をのんだ。その悔しさを忘れずにスター選手でも献身的なプレーをこなした。隙のないチームに生まれ変わったフランスが、20年ぶり2度目となる世界の頂点に君臨した。
(文/大木雄貴)