27日、日本サッカー協会はキリンチャレンジカップ2014のニュージーランド代表戦に臨む日本代表23名を発表した。FW香川真司(マンU)やMF本田圭佑(ACミラン)ら主力が順当に選出。一方で、MF長谷部誠(ニュルンベルク)、DF内田篤人(シャルケ)は負傷の影響で招集を見送った。また会場の現国立競技場で日本代表が試合を行うのは、今回が最後となる。
「(W杯へ向けて)ここからは本当のラストスパートが始まる」
 アルベルト・ザッケローニ監督は、こう力強く語った。環境対策、対戦相手のスカウティング、そして、W杯メンバーの絞り込みである。

 今回の陣容に目新しさはなかった。指揮官は「昨年末からの延長という考えのもとに選んだ」と説明。昨年11月の欧州遠征以降、代表活動がなかったために、「代表での戦い方を思い出してもらう」ことを重視したかたちだ。

 とはいえ、主将の長谷部、不動の右サイドバック・内田が負傷の影響で不在。長谷部の代役には成長著しいMF山口蛍が濃厚だ。ザッケローニ監督は「Jリーグが終わってからの山口は見ていないので、何とも言えない」と明言は避けたが、「昨季は非常にいいパフォーマンスを見せた」と評価している。右SBにはこれまで継続して招集されているDF酒井宏樹(ハノーファー)、DF酒井高徳(シュツットガルト)に加え、ベテランDF駒野友一(磐田)が出場機会を伺う。駒野は昨年の東アジア杯以来に代表復帰だが、指揮官は「計算できる選手」と信頼を寄せているようだ。

「選手選考では、これまでのパフォーマンス、キャリアだけを重視するわけではない。選手たちはここからW杯までの4カ月間で、いかにアピールし、成長の証を見せるかが大切だ」
 ザッケローニ監督はこう述べ、成長を評価して選んだ選手としてDF森重真人(FC東京)、FW柿谷曜一朗(C大阪)、山口、FW大迫勇也(1860ミュンヘン)らの名前を挙げた。そして、「彼らはまだ伸びしろがある。現状に満足せず、W杯に向けて、各々を高めっていってほしい」と更なる成長を促した。

 また、ザッケローニ監督は「個人的な意見」と前置きして、W杯メンバーの条件を述べた。
「モチベーションが高く、チームの和を乱さずに、コンディションが最高の状態にある選手。またW杯は暑い場所で試合し、長距離移動もある。そういったものに耐えうる本物のアスリート」

 果たして、ザッケローニ監督の選考基準をクリアしている選手は現在、何人いるのか。ザッケローニ監督は最後に「W杯に行くメンバーで、誰も約束されているポジションはない」と強調した。NZ戦は、現国立の代表ラストマッチ。しかし、代表生き残りを懸ける選手たちが、感傷に浸る暇はなさそうだ。

<日本代表メンバー23名>

GK
川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
西川周作(浦和レッズ)
権田修一(FC東京)
DF
駒野友一(ジュビロ磐田)
今野泰幸(ガンバ大阪)
伊野波雅彦(ジュビロ磐田)
長友佑都(インテル・ミラノ)
森重真人(FC東京)
吉田麻也(サウサンプトン)
酒井宏樹(ハノーファー96)
酒井高徳(VfBシュツットガルト)
MF
遠藤保仁(ガンバ大阪)
青山敏弘(サンフレッチェ広島)
細貝萌(ヘルタ・ベルリン)
本田圭佑(ACミラン)
香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)
清武弘嗣(1.FCニュルンベルク)
齋藤学(横浜F・マリノス)
山口螢(セレッソ大阪)
FW
岡崎慎司(1.FSVマインツ05)
柿谷曜一朗(セレッソ大阪)
工藤壮人(柏レイソル)
大迫勇也(TSV1860ミュンヘン)