5日、なでしこジャパン(女子日本代表、世界ランク3位)はポルトガルで行われている国際招待大会・アルガルベ杯で女子米国代表(同1位)と対戦し、1対1で引き分けた。前半、日本は米国の攻勢に押し込まれたが、守備陣が体を張った守りでゴールは許さなかった。ただ日本も攻め手に欠いてスコアレスで試合を折り返すと、後半14分、FWシドニー・ルルーに先制点を奪われた。その後も守勢を強いられた日本だが37分、MF宮間あやが直接FKを決めてドローに持ち込んだ。日本の次戦は7日(金)に女子デンマーク代表(同13位)と対戦する。

  なでしこ、主導権握れず(アルガルベ)
女子日本代表 1−1 女子米国代表
【得点】
[日] 宮間あや(82分)
[米] シドニー・ルルー(59分)
 苦しい試合だった。日本が今年の初戦、米国が3戦目。フィジカルコンディションで日本が劣っていたのは明らかだった。日本は序盤から米国に押し込まれた。チャンスらしいチャンスをつくれず、何とか宮間のセットプレーで追いついた。

 前半11分、右サイドのクロスからルルーに合わせられたが、GK山根恵理奈が右手1本でファインセーブ。28分にも、ルルーに抜け出され、DF岩清水梓が体を寄せるもシュートを打たれた。しかし、これはゴール右に外れた。 守備陣の踏ん張りもあって、なんとか無失点で試合を折り返した

 しかし後半14分、一瞬のスキを突かれて先制点を奪われた。相手のシュートをキャッチした山根が、近くにいたDF熊谷紗希にスローイング。受けた熊谷は、目の前にルルーがいたため、山根にボールを戻した。山根のボールをコントロールしてからのキックが、スピードを上げて滑り込んできたルルーに当たり、ボールは無人のゴールへ。日本は自分たちのミスともいえるかたちで失点した。

 その後も日本は攻勢を強める米国に防戦一方。28分には、再びルルーにPA手前から強烈なボレーシュートを許したが、これは左ポストに当たってゴールには至らなかった。

 反撃の糸口をつかめないでいた日本だが、37分、宮間の伝家の宝刀で同点に追いついた。ほぼゴール正面、約30メートルの距離から放たれたボールは、無回転でブレながらGKの手を弾いてゴールネットを揺らした。決めた宮間も笑顔を見せる鮮やかな一発だった。

 試合はそのままドローとなった。スコアは互角だが、新星ルルーの台頭など、米国は確実に進化を遂げている。一方で、日本は11年W杯、12年ロンドン五輪を戦ったメンバーが多く主力に残ったままだ。組織内での競争で選手が切磋琢磨すれば、それはチームの強化にもつながる。今後の試合では、出場機会の少なかった選手の奮起が求められる。