7日、なでしこジャパン(女子日本代表、世界ランク3位)はポルトガルで行われている国際招待大会・アルガルベ杯で女子デンマーク代表(同13位)を1対0で下した。前半、日本はボールを支配したものの、なかなか決定機をつくれなかった。それでも43分、FW岩渕真奈(ホッフェンハイム)のゴールで先制し、リードして試合を折り返した。後半は攻勢を強めたデンマークに押し込まれた。しかし、米国戦同様、守備陣が体を張った守りでゴールを死守。日本は完封で2014年初白星を挙げた。日本の次戦は10日(月)に女子スウェーデン代表(同6位)と対戦する。

 岩渕、代表で4年ぶりゴール(アルガルベ)
女子日本代表 1−0 女子デンマーク代表
【得点】
[日本] 岩渕真奈(43分)
 20歳のストライカーが、才能の片鱗を見せつけた。なかなか決定機をつくれない中、岩渕が鮮やかな個人技からゴール。なでしこを勝利に導いた。

 日本は米国戦から先発メンバー8人を入れ替えてスタートした。岩渕は2トップの一角に入った。

 日本は序盤からパスを回して、ポゼッションしながら攻撃を組み立てた。岩渕は前線でボールを呼び込み、得意のドリブルで積極的に仕掛けた。体格で勝る相手に体を寄せられても簡単に倒れない。昨年からドイツに渡り、当たりの激しいリーグでもまれたことで逞しさを増したように映った。

 43分、その岩渕が先制点を奪った。右サイドでボールを受けると、前にいたデンマーク選手2人の間をスピードに乗ったドリブルで突破。相手をブロックしながらPAに進入し、右足を振り抜いた。シュートはGKの手を弾いてゴールネットを揺らした。岩渕にとって代表では10年1月以来、4年ぶりのゴール。岩渕は「試合に出るたびに点を取りたいと思っていた。今日決めることができてホッとしている」と笑顔で振り返った。

 後半、日本はデンマークの攻勢に押し込まれる時間帯もあったが、守備陣が踏ん張った。10分、ニールセンにPA内で打たれたシュートはGK福元美穂がパンチングで防いだ。また、中盤のルーズボールはボランチのMF宇津木瑠美が鋭い出足でことごく拾い、相手に連続攻撃を許さなかった。

 結局、日本は岩渕の奪った1点を守り切り、今大会初勝利。岩渕は後半40分に交代するまでドリブルで仕掛けるなど、2点目は奪えなかったが持ち味を発揮した。

 今大会のメンバー発表会見で、佐々木則夫監督は「ドリブルで相手の守備ブロックを崩す」ことを攻撃面のテーマに掲げた。その中で岩渕が見せたプレーを指揮官は「(岩渕は)個の力の秘めたものがある。パンチ力のあるいいシュートだった」と称賛した。

 次戦は米国を破ったスウェーデンと戦う。この試合に勝てばB組首位通過となり、大会初優勝も見えてくる。岩渕は「1位で次に進めるように、チーム一丸で頑張っていきたい」と語った。20歳のストライカーは、次もゴールを奪ってチームを勝利に導けるか。