４月１日（火）
【高校野球】
◇準決勝
主将・金岡、値千金の同点弾
履正社（大阪） 12 ＝ ０００００２３１１５
豊川（愛知） ７ ＝ ０１０１０００５００
【本塁打】
（履）金岡
初出場で４強入りし勢いのある豊川と、３年ぶりに準決勝進出を果たした履正社。ともに決勝進出となれば、初めての快挙となる。先制したのは豊川だった。２回裏、２死無走者からスタメンで唯一の２年生、島快莉が二塁打を放つと、１番・中村胤哉（３年）が内角高めのスライダーをうまく腕をたたみながらライトへ運ぶ。二塁ランナー島が生還し、豊川が先取点を挙げた。さらに４回裏、ヒットと送りバントで１死二塁とすると、中村が高めのストレートを詰まりながらもセンター前へ。二塁ランナーが一気にホームへ返り、２点目を挙げた。一方の履正社は、甲子園初登板となった豊川先発の阿部竜也（３年）を攻略することができない。阿部は毎回のように四死球を出し、ランナーを三塁に背負う苦しいピッチングが続くも、５回まで２安打無失点に抑えた。６回表、豊川はその阿部を下げ、エース田中空良（３年）をマウンドに上げた。しかし、田中は二者連続で四球を出すと、送りバントを決められて１死二、三塁とピンチとなった。ここで履正社は代打に甲子園初打席の三浦和磨（３年）を送る。三浦は期待に応えて走者一掃となるタイムリー二塁打を放ち、試合を振り出しに戻した。７回表、履正社打線はさらにたたみかける。１死一、二塁から怒涛の３連打で一挙３点を奪い、勝ち越しに成功した。８回表、豊川は田中を諦め、３番手・杉田涼（２年）にスイッチした。その杉田から履正社はダメ押しとなる１点を挙げる。
しかし、豊川も負けてはいない。８回裏、２死一、二塁からクリーンナップに連続タイムリーが出て３点を返し、１点差に詰め寄った。なおも２死二、三塁。ここで６番・武市啓志（３年）が２点タイムリー。豊川は怒涛の四者連続タイムリーで一挙５得点を奪い勝ち越した。歓喜に沸く豊川の応援団。だが、それを一瞬で黙らせたのは主将だった。９回表、履正社は先頭の８番・金岡洋平（３年）の一発ですぐさま追いついたのだ。そして、この同点弾が履正社に流れを引き寄せることになる。試合は７−７のまま延長へと入った。10回表、履正社はヒットと四球で無死満塁と絶好のチャンスをつくる。打席には９回に同点弾を放った金岡。９回の途中から５番手としてマウンドに上がった伊藤竜平（３年）は警戒しすぎたのか、死球を与えてしまい、押し出しで履正社が勝ち越す。なおも無死満塁。ここで豊川はこれまでマスクをかぶっていた捕手の氷見泰介（３年）をマウンドに上げた。その氷見から履正社は４点を追加し、ほぼ勝利を手中に収めた。打線から大きな援護をもらった永谷はその裏、先頭打者にヒットを打たれるも、後続をきっちりと抑え、豊川の反撃を振り切った。履正社は春夏通じて初の決勝進出を決めた。
２年生・高橋、１失点完投
佐野日大（栃木） １ ＝ ０００００１０００
龍谷大平安（京都） ８ ＝ ０３００１０２２×
【本塁打】
（平）徳本
ともに延長戦を制して勝ち上がってきた佐野日大と龍谷大平安。序盤に早くも主導権を握ったのは40年ぶりに４強入りを果たした平安だった。２回裏、前日の準々決勝で152球を投げ切った佐野日大のエース田嶋大樹（３年）をとらえる。１死二塁から８番・高橋佑八（３年）が先制タイムリー。さらに２死後、ランナーを二塁に置いた場面で１番・徳本健太朗（３年）がライトポール際ぎりぎりに入る２ランを放ち、この回一挙３点を奪った。さらに５回裏にも４番・河合泰聖（３年）のタイムリーで１点を追加した。一方、佐野日大は６回表、１死からヒットと死球で一、二塁とした。しかし、一塁ランナーの田嶋がけん制でアウトとなり、２死二塁となる。このエースのミスをカバーするかのように、女房役の捕手、９番・佐川昌（３年）がタイムリーを放ち、１点を返した。しかしその裏、龍谷大平安が１死二塁から徳本、２番・大谷司（３年）と二者連続のタイムリーで２点を追加。さらに８回裏にも２点を挙げ、リードを７点に広げた。投げては、この日先発した高橋奎二（２年）は好リリーフした前日の準々決勝に続いての連投だったが、その疲れも見せず、ランナー出しながらも要所を締める好投を披露。最終回も自ら志願してマウンドに上がり、先頭打者にヒットを打たれるも、次打者を併殺に仕留めて２死。最後の打者を内野ゴロに打ち取り、甲子園初の完投勝ちを収めた。今大会最多出場の平安が、38度目にして初の決勝に臨む。