(写真:同世代の桃田<左>とアクセルセン。新時代を築きつつある)

 10日、ダイハツ・ヨネックスジャパンオープン2018の前日記者会見が都内ホテルで行われ、出場選手が意気込みを語った。昨年の男女シングルス、男女ダブルスの優勝者に加え、8月の世界選手権を制した男子シングルスの桃田賢斗(NTT東日本)が出席した。BWF世界ランキング4位の桃田は「日本で開催する大きな大会。優勝したい」とコメント。同1位のビクター・アクセルセン(デンマーク)は「例年通り楽しみ」とリラックスした様子で答えた。

 

 37回目の開催となるジャパンオープン。今回は“東京オリンピック前哨戦”だ。会場は2年後の東京オリンピックで使用する東京・調布市の武蔵の森総合スポーツプラザとなったからだ。

 

 桃田は「シャトル打ってみたけど見やすかった。苦手意識なくのびのびとプレーできるかなと思っています」とコートに対する好印象を口にした。アクセルセンも「全体的にいい感覚。風も強くなくプレーしやすい」と続いた。共に世界選手権を制したタイトルホルダー。ジャパンオープンに限れば、桃田は最高成績が2回戦である。大会の相性は2度の決勝進出を果たし、今大会で連覇を目指すアクセルセンに分があると言える。

 

(写真:現在BWF世界ランク4位の桃田。3年ぶりのジャパンオープン出場だ)

 同世代の2人はジュニア時代から凌ぎを削ってきたライバルだ。相手に対する印象を問われると、桃田は「同世代で今、世界ランク1位。すごく尊敬する選手。個人的にもライバルだと思っているので、お互い刺激し合いながら高め合っていければいいです」と述べた。一方のアクセルセンは「私も尊敬している。再びコートに戻ってきてうれしい。私たち2人が新しい時代に引っ張っていくのかなと思う」と新時代の旗頭としての気概を窺わせた。

 

 今年から世界ランク上位32選手に出場権が与えられるジャパンオープン。桃田とアクセルセンは勝ち上がれば準決勝で対戦する。注目はライバル対決にとどまらず、新世代のタレントたちが虎視眈々とタイトルを狙う。2人の同世代で成長著しい西本拳太(トナミ運輸)、世界選手権準優勝の22歳シー・ユーチー(中国)、インドのエース25歳スリカンス・キダンビ、インドシアの新生21歳アンソニー・シニスカ・ギンティング。男子シングルスの勢力図は新しい局面に突入した。

 

 賞金総額も32万5000ドルから70万ドルへとグレードアップした大会で頂点に立つのは誰か――。11日からの6日間、調布で熱戦が繰り広げられる。

 

(文・写真/杉浦泰介)