MLBの2014シーズンが本格的に開幕し、日本人では9名がメジャーリーグ登録枠に入った。ピッチャーでは東北楽天からポスティングシステムで移籍したニューヨーク・ヤンキースの田中将大が日本時間5日のトロント・ブルージェイズ戦でデビュー登板を迎える。同じくヤンキースの黒田博樹は3日のヒューストン・アストロズ戦で先発予定。ヤンキースのイチローは2日の同カードでスタメン落ちし、故障者リスト(DL)入りした2009年を除いてメジャー14年目で初めて開幕戦に出番がなかった。
 他球団では昨季、ワールドシリーズを制覇したボストン・レッドソックスの上原浩治、田澤純一が揃ってロースター入りし、田澤は1日のボルチモア・オリオールズ戦で8回に2番手で登板。1回を三者凡退に抑えた。

 テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有は1日のフィラデルフィア・フィリーズ戦で開幕投手を務める予定だったが、寝違えで首を痛めたため、登板を回避。近日中に復帰する見込みだ。またシアトル・マリナーズの岩隈久志は右手中指のケガ、シカゴ・カブスの藤川球児は昨年受けた右ヒジ手術の影響で出遅れており、開幕には間に合わなかった。

 野手ではカンザスシティ・ロイヤルズに移籍した青木宣親が1日の開幕戦で「1番・ライト」で先発出場。しかし、対戦相手タイガースのエース、ジャスティン・バーランダーに2三振を奪われるなど5打数0安打だった。

 またニューヨーク・メッツの松坂大輔は開幕メジャーを果たせなかったものの、オープン戦では6試合に先発して防御率3.04と一定の結果を残し、故障者が出た場合には昇格の可能性が高そうだ。2年ぶりのメジャー登板を目指すヤンキースの建山義紀もマイナースタートだが、オープン戦では7試合に登板して1失点で、今後、ブルペンの状況次第でチャンスが巡ってくる可能性がある。

 一方で今季、千葉ロッテから移籍してレッドソックスとマイナー契約を結んだ渡辺俊介は3月末に解雇され、ナックルボーラーに転身してブルージェイズとマイナー契約していた大家友和も自由契約になった。一昨年の左ヒジ手術からの復活をかけるシカゴ・カブスの和田毅もオープン戦で打ち込まれ、一時は自由契約に。再びカブスとマイナー契約を結び、悲願のメジャー初登板へ昇格機会をうかがう。
 
 野手ではブルージェイズの川崎宗則、オークランド・アスレチックスの中島裕之、レンジャーズの田中賢介はいずれもマイナーでの開幕。厳しい現実を突きつけられた格好だが、数少ない昇格のタイミングをモノにするしかない。