節目の10年目を迎えた四国アイランドリーグPlusの前期シーズンが5日に開幕した。各球団はメモリアルシーズンのリーグ制覇はもちろん、3年連続でBCリーグ勢に渡っている独立リーグ日本一のタイトルを取り戻すべく、10月までの熱い戦いに臨む。今季は昨年初開催された高知ウインターリーグや海外トライアウトを通じて各球団とも外国人を複数名採用しており、彼らの働きぶりもチームの行方を左右しそうだ。また、昨年のドラフト2位で中日に入団し、開幕からリリーフとして活躍している又吉克樹のように、NPBで通用する人材をいかに育てられるかもポイントになる。昨季以上の「Plus」を目指して戦う各チームの戦力と注目選手を紹介する。
徳島インディゴソックス
★13年成績
前期 20勝17敗3分 2位
後期 24勝9敗7分 1位

 昨季は後期を制し、リーグチャンピオンシップを勝ち抜いて2年ぶりの年間王者に輝いた。しかし、投手陣の柱となった岩根成海、山口直紘らが退団し、先発不足は否めない。リリーフ陣は入野貴大と、新潟から移籍した河本ロバートに、広島を戦力外になった富永一が戻り、抑えを務める。終盤はある程度、継投の計算が立つだけに、試合をつくれる先発をどれだけ確保するかが重要になる。開幕戦で入野を先発に起用したように、場合によってはリリーフからの配置転換も求められそうだ。

 野手はオリックスに育成選手として入団した東弘明が抜けたものの、昨季リーグ2位の打率を残した大谷真徳、トップバッターの吉村旬平、松嶋亮太ら、昨季の主力メンバーが多く残った。新人の小林義弘が開幕戦で4番を張るなど新戦力も台頭しており、ポジション争いの中で個々のレベルアップがはかれるだろう。

香川オリーブガイナーズ
★13年成績
前期 22勝14敗4分 1位
後期 16勝21敗3分 3位

 前期制覇を果たした最大の要因は投手陣。その功労者であるエースの又吉が中日入りしたが、BCリーグ新潟で2年連続最多勝をあげた寺田哲也の獲得に成功した。田村雅樹、酒井大介、後藤真人の3投手による勝利の方程式は健在。今季は精度が増した左の後藤が酒井に代わってクローザーに回る。力のある外国人投手も3名獲得し、現時点での投手力は4球団トップと言ってよい。

 不安材料は桜井広大、国本和俊らが抜けた打線だ。トップバッターにはレンジャーズ傘下でプレーしていたスイッチヒッターの尾中博俊、クリーンアップは3番の原口翔、5番の中本翔太と新戦力が並ぶ。彼らに経験を積ませながら、新しい打線がどこまで機能するかに注目だ。

愛媛マンダリンパイレーツ
★13年成績
前期 19勝18敗3分 3位
後期 23勝13敗4分 2位

 過去9シーズンで唯一、年間優勝したことがない。オリックスで長年、コーチ、2軍監督を務めた弓岡敬二郎新監督を迎え、悲願達成を目指す。投手陣は元千葉ロッテの小林憲幸が今季も先発の大黒柱。NPB復帰を果たした金森敬之、元オリックスの西川雅人らが抜け、ブルペンは未知数のため、元オリックスのキャッチャー、横山徹也のリードにかかる部分も大きい。入団3年目となるベテランの河原純一が、どこまで万全な状態で投げられるかもカギを握りそうだ。

 打線はトップバッターに昨季盗塁王の高田泰輔、3番には首位打者の藤長賢司が座り、長打力のある新外国人のザック・コルビー、鶴田都貴がランナーをしっかり還せるかどうかで得点力が変わってくる。下位打線には広陵高時代に高校日本代表に選ばれたこともある櫟浦大亮が新しく入り、例年になく野手陣は充実している。

高知ファイティングドッグス
★13年成績
前期 14勝23敗3分 4位
後期 9勝26敗5分 4位

 4期連続最下位の低迷から脱却すべく、NPBでも指導経験豊富な弘田澄男総合コーチが監督に昇格した。キャンプから意識改革と、基本の徹底に力を注ぎ、チームは変化の兆しをみせつつある。ただ、外国人選手が練習生を含めて11名おり、全員揃ったのが3月末。当面は選手を起用しながら、力を見極めていく作業が必要だ。

 投手陣は開幕投手の元スペイン代表ホルヘ・バルボア、2年目のフアン・グルジョン、広島から派遣されたダニロ・デヘスス、海外トライアウト経てやってきたレイモンド・ビラセニョール、アイランドリーグでプレー経験もある元広島のウィルフレイセル・ゲレロら助っ人がメインになりそう。野手もフレデリック・アンビィ、デイビー・バティスタと外国人が中軸を担う。6年目の村上祐基、新加入の中村憲治の1、2番コンビの出塁がキーになるだろう。


4月7日(月)

 オープン戦好調の橋本隼、4回6失点(ソフトバンク1勝1敗、坊っちゃん、335人)
福岡ソフトバンク(3軍)  6 = 030300000
愛媛マンダリンパイレーツ 3 = 020000100
勝利投手 笠原
敗戦投手 橋本隼(0勝1敗)