16日、サッカー日本代表(FIFAランキング54位)は埼玉スタジアムでウルグアイ代表(同5位)と親善試合を行い、4対3で勝利した。試合は前半10分にMF南野拓実(ザルツブルク)のゴールで日本が先制。28分にはFWガストン・ペレイラの得点で一時追いつかれるが36分にFW大迫勇也(ブレーメン)が押し込んだ。後半に入ると12分にFWエディンソン・カバーニに決められるが、14分にMF堂安律(フローニンゲン)が、21分に南野が再びゴールネットを揺らした。30分にFWホナタン・ロドロゲスに決められたが日本はリードを守り切り、逃げ切った。
南野、3試合連続ゴール(埼玉スタジアム)
日本代表 4-3 ウルグアイ代表
【得点】
[日] 南野拓実(10分、66分)、大迫勇也(36分)、堂安律(59分)
[ウ] ガストン・ペレイラ(28分)、エディンソン・カバーニ(56分)、ホナタン・ロドロゲス(75分)
森保ジャパンは3対0で勝利した4日前のパナマ代表戦から、大迫、南野以外、スタメンを9人入れ替えて南米の強豪・ウルグアイに挑んだ。
前半10分、南野が早速結果を出す。左サイドでMF中島翔哉(ポルティモネンセ)が中を向いてボールを持つ。「翔哉は速いパスをつけてくれる」と南野。新10番からの鋭いパスに反応すると、ペナルティーエリア内で素早い反転トラップで相手DFをかわす。さらにキックフェイントでふたりのDFのタイミングを外して右足でシュートを放つと、相手GKの足に当たったがボールはゴールに吸い込まれた。
28分にはセットプレーから森保ジャパン初失点を喫した。自陣左サイドのFKからファーサイドにクロスを上げられるとDFセバスティアン・コアテスに頭で折り返される。最後はゴール中央にいたペレイロがワントラップし、左足で決められてしまった。
しかし、このままズルズルとウルグアイにペースを渡さなかった。36分にはロシアW杯レギュラー組の大迫が中島のシュートのこぼれ球に反応し、右足で押し込み、1点リードで日本は試合を折り返した。
後半に入ると12分に世界的ストライカーにゴールネットを揺らされた。DF三浦弦太(ガンバ大阪)のGK東口順昭(ガンバ大阪)へのバックパスをカバーニにカットされ得点を許すが、若い力が爆発した。
カバーニの得点から2分後だった。混戦の中、敵陣右サイドで堂安がボールを持つと、DF酒井宏樹(マルセイユ)とのワンツーでペナルティーエリアに侵入。左足のアウトサイドトラップでひとりかわすと得意の左足で鮮やかにゴール左に流し込んだ。東京五輪世代のエースがついにA代表初得点を決めて、日本がリードを広げた。
その7分後には南野がこぼれ球を右足ボレーで押し込み、この日2点目を決めてさらにリードを広げた日本。30分にはウルグアイに得点を許したが、リードを守りきり逃げ切った。
試合後、堅守のウルグアイから大量得点を奪ったこの試合を森保一監督は「4点も取れて勝てましたし、シュート数でも公式記録で14本。攻撃の姿勢が出せてよかった」と語ったが、「失点を減らせることはできた。気を引き締めて次を迎えたい」と3失点したことについても言及した。
来年1月にはV奪還を目指すアジアカップが行われる。もはや主軸の貫禄さえ漂う南野自身は「まだアジアカップのメンバーはどうなるかわからない。満足せずに次も呼ばれるように所属チームに帰ってアピールしたい」と気を引き締めた。
FIFAランキング5位の強豪を相手にしての勝利ながら、セットプレーと稚拙なミスからの失点は痛かった。だが、森保監督の掲げる「世代間の融合」はわずか3試合ながら、着実に進んでいるように映る。
(文/大木雄貴)