1日、日本シリーズ第5戦がヤフオクドームで行われ、福岡ソフトバンクが延長10回、柳田悠岐のサヨナラホームランで広島を5対4で下した。ソフトバンクはこれで3勝1敗1分と、2年連続の日本一に王手をかけた。

 

◇第5戦
 ホークス、シリーズ新のホールド、通算13に更新(ソフトバンク3勝1敗1分 ヤフオク)
広島  4 = 010|021|000|0
福岡ソフトバンク 5 = 000|210|100|1x

勝利投手 加治屋(1勝0敗)
敗戦投手 中﨑(0勝1敗)
本塁打  (広)丸1号2ラン、會澤1号ソロ
     (ソ)明石1号ソロ、柳田1号ソロ

 

 勝てばソフトバンクが王手となる第5戦。先発はソフトバンクが千賀滉大、広島が大瀬良大地、ともに第1戦を投げた投手が中4日でマウンドに上がった。スタメンは2試合連続ホームランを放っているソフトバンクの主砲アルフレド・デスパイネが左膝痛を訴えて欠場。前夜、突き指で欠場したジュリスベル・グラシアルがDHで復帰した。また広島は西川龍馬をシリーズ初スタメンの一塁で起用、さらに安部友裕を7番、野間峻祥を9番に入れ替えてきた。

 

 初回、2死から当たりの出てきた広島の3番・丸佳浩がレフト方向にうまく運んだものの、中村晃がスライディングして好捕。その裏、ソフトバンクもグラシアルがフォアボールで出塁したが、柳田悠岐がセカンドゴロに倒れた。大瀬良、千賀ともに初回は得点を許さなかった。その直後、2回表、広島の攻撃。鈴木誠也が倒れた1死後、5番・松山竜平が千賀のスライダーに泳がされながらもバットをうまくあわせ、ライトフェンス直撃のツーベース。初スタメンの西川が歩いて一、二塁。安部はセカンドゴロに倒れたものの、続く會澤翼がセンター前に弾き返して、広島が1点を先制した。

 

 1点を追うソフトバンクは4回、先頭の明石健志がフォアボールで出塁し、続くグラシアルがレフト前ヒットで無死一、二塁。ここで柳田もフォアボールを選んで無死満塁にすると、中村晃がセンター前ヒットを放ち2者が生還。ソフトバンクが2対1と逆転に成功した。だが、広島は5回、田中広輔がツーベースで出塁すると、2死二塁から丸がライトスタンドに逆転2ラン。3対2と再び試合をリードした。

 

 その裏、ソフトバンクは満塁から柳田のピッチャーゴロの間に1点を返して同点。しかし広島は6回表、會澤がレフトスタンドにソロホームランを放って、4対3と再び勝ち越し。ゲームの主導権をお互いに握れないまま試合は進み、7回裏、ソフトバンクは明石がシリーズ1号のソロホームランを放って4対4。ゲームを降り出しに戻して、終盤へと突入した。

 

 ソフトバンクは守護神・森唯斗を8回途中から投入し、広島の反撃を抑えた。広島も9回1死二塁で中崎翔太を投入。1死一、二塁とサヨナラのピンチも、明石、グラシアルを打ち取り、4対4のままゲームは延長戦へ突入した。

 

 10回表、ソフトバンクは森に代えて加治屋蓮をマウンドへ。先頭の鈴木誠也を歩かせて、代打・曽根海成に送りバントを決められて1死二塁。一打勝ち越しのピンチを迎えたが、バティスタを空振り三振、阿部をサードゴロに打ち取った。そして迎えた10回裏、この回の先頭は4番・柳田。1ボールから中崎の投じたスライダーを捉えた打球は、バットが折れながらもライトスタンドへ。ソフトバンクがサヨナラ勝ちで、日本一へ王手をかけた。

 

 劇的な一発を放った柳田は「バットが折れてサヨナラホームランは初めての体験。王手をかけてマツダスタジアムに行きます。また広島で会いましょう!」とヒーローインタビューで吼えた。

 

 リーグ2位のソフトバンクがこのまま押し切り下剋上を果たすのか、セ・リーグ覇者の広島が巻き返すのか。注目の日本シリーズ第6戦は移動日を挟み、11月3日、マツダスタジアムで行われる。
(文/SC編集部・西崎)