10日、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝、ペルセポリス(イラン)対鹿島アントラーズのセカンドレグがイラン・テヘランで行われた。試合は0対0の引き分けに終わったが、ファーストレグを2対0で制した鹿島が見事、ACL初制覇を達成した。鹿島は12月にUAEで開催されるクラブワールドカップにアジア王者として出場する。

 

 大会MVPは鈴木が獲得(テヘラン)

ペルセポリス 0-0 鹿島アントラーズ

 (2戦合計 0-2)

 

 カシマスタジアムで行われたファーストレグでのアドバンテージがあった鹿島は序盤から割り切ったサッカーを展開していた。1点差で負けても優勝できる鹿島は無理にパスを繋がず、相手のサイドバックの裏のスペースにボールを蹴り込み、2トップが流れてボールをキープした。

 

 ゲームキャプテンを務めたDF昌子源が試合後に「ロングボールが多かった。うちが点を取るのは難しいと思った」語ったコメントが、それを証明していた。2戦合計で争うACLでは、この戦い方で全く問題なかった。

 

 鹿島は相手の隙を見てシュートを見舞う。14分、左サイドに流れたFW鈴木優磨がクロスを入れる。ファーサイドで待つMF土居聖真がワントラップして右足を振り抜くが、シュートはゴール左に逸れた。

 

 27分にはFWアリ・アリプールにヘッドでゴールの枠を捉えられるがGKクォン・スンテが難なくセーブ。39分にはMFバシャル・レサン・ボニャンにドリブルからペナルティーエリア内左の角度のないところからシュートを放たれるがこれも鹿島の守護神が見事に止めた。

 

 後半に入ると19分、鹿島のゴール前でルーズボールをアリプールに拾われ左足で強烈なシュートを放たれるが、ボールはゴール右に外れた。以降、ペルセポリスはファウルを誘うことに躍起になり、サッカーに集中していなかったことに鹿島は救われた。ペルセポリス攻撃陣はファウル欲しさに鹿島ゴール前で倒れるものの、主審が笛を吹くことは少なかった。

 

 試合も終盤になると、ペルセポリスは前に圧力をかける。鹿島は押し込まれて苦しい時間帯が続いたもののクォン・スンテ、昌司、DFチョン・スンヒョンを中心としてDF陣が最後まで体を張りゴールを死守。鹿島が悲願のACL初制覇を達成した。

 

 この結果、鹿島はアジア大陸王者として12月にUAEで開催されるクラブワールドカップに出場する。初戦の北中米カリブ海代表のグアダラハラ(メキシコ)戦に勝利すると、ヨーロッパ大陸王者のレアル・マドリード(スペイン)と対戦する。2年前に同カップ決勝で苦杯をなめさせられた銀河系軍団に、リベンジを果たせるか。日本のサッカーファンも注目のカップ戦になりそうだ。

 

(文/大木雄貴)