現地時間17日、世界ランキング11位の日本代表(ジャパン)は同4位のイングランド代表とイギリス・トゥイッケナムスタジアムで対戦した。ジャパンは15-35で敗戦。前半は15-10とリードしたが、後半は無得点に終わった。これでイングランド代表との対戦成績は9戦全敗となった。

 

 ラグビーの聖地でジャパンは散った。前HCのエディー・ジョーンズ監督率いるイングランドに逆転負け。8万人を超える大観衆の前で強豪相手に善戦したものの、対イングランド戦初勝利はならなかった。

 

 先制点は開始3分、イングランドがトライ。SO田村優が自陣から敵陣の空いたスペースに蹴り込んだ。しかし、そこから電光石火のカウンターを食らう。ジャパンの右サイドを突破され、最後はSHダニー・ケアにトライを奪われた。

 

 ジャパンも反撃を開始した。スクラムの局面ではWTB福岡堅樹が球出しを担うなど、奇策を用いた。直接得点には繋がらなかったが、ジャパンは敵陣で攻め続ける。田村がPGを決めて3-7と4点差と迫った。

 

 20分にはイングランドがシンビン(10分間の一時退場)で、ジャパンが数的優位に立つ。すると22分、敵陣でのスクラムからSH田中史朗が素早くボールを出すと、パスを受けたCTB中村亮土が中央を突破した。中村は1人かわすと、インゴールへ飛び込んだ。田村のゴールキックも決まり10-7とリードを奪った。

 

 対するイングランドもホームでやられたまま黙っていない。ハーフウェーライン付近でペナルティーを獲得するとショットを選択した。ゴールまで約50mの距離。FBエリオット・デーリーが難なく決めて、スコアはタイとなった。

 

 接戦の中、ジャパンが観衆を沸かせる。31分、敵陣左サイドから右へ展開。右サイドでボールを持ったWTB山田章仁が相手のプレッシャーに遭いながらも粘ってFLリーチ・マイケルにパスを放る。ボールを受けたリーチは3人の壁をすり抜けて、最後はステップで1人をかわした。インゴールへ飛び込んで、ジャパンが再びリード。ジャパンが15-10で試合を折り返した。

 

 過去9戦で1度も勝てていないラグビーの母国相手に大金星も期待されたが、後半のイングランドの猛攻を耐え切れなかった。16分にPGで3点を返されると、19分にはトライを奪われ逆転を許した。25分にPG、30分と36分にはトライで突き放された。

 

 最終スコアは15-35とダブルスコア以上の差をつけられた。ジャパンは敵陣深くまで攻め込む場面もあったものの、後半は無得点に終わった。欧州遠征は24日にワールドカップ開幕戦で当たる世界ランキング19位のロシア代表と対戦する。

 

(文/杉浦泰介)