サッカー日本代表(FIFAランキング50位)は20日、豊田スタジアムでキルギス代表(同90位)と親善試合を行い、4対0で勝利した。試合は前半2分に代表初出場のDF山中亮輔(横浜F・マリノス)がファーストタッチでゴールを奪うと19分にはMF原口元気(ハノーファー)がFKを直接決めた。後半に入ると27分に途中出場したFW大迫勇也(ブレーメン)、28分にMF中島翔哉(ポルティモネンセ)が得点を決めて大勝した。

 

 森保J、スタメン総入れ替えで勝利(豊田スタジアム)

日本代表 4-0 キルギス代表

【得点】

[日] 山中亮輔(2分)、原口元気(19分)、大迫勇也(72分)、中島翔哉(73分)

 

 来年1月にUAEで行われるアジアカップでV奪還を目指す日本代表にとって最後の親善試合となった。「層を厚くしたい」とコメントした森保一監督はベネズエラ代表戦から先発を総入れ替えした。

 

 この日、山中にとっては“初”づくしとなった。開始2分、FW北川航也(清水エスパルス)、FW杉本健勇(セレッソ大阪)とつなぎ、ペナルティーエリア付近左サイドを走る山中にボールが渡る。この左利きのサイドバックは左足インステップでダイレクトシュートを放つ。ボールは右ポストに直撃し、ゴールネットを揺らした。指揮官に「スペシャルなものを持っている」と評された自慢の左足で山中は見事初出場、初スタメン、ファーストタッチで代表初ゴールを奪った。

 

 先制後、MF伊東純也(柏レイソル)がボールを持ち過ぎてリズムを壊したようにも映った。ここでリズムを取り戻すきっかけをつくったのがロシアW杯主力組の原口だった。18分、うまく相手のファウルを誘いペナルティーエリア手前左サイドでFKを得る。これを原口が直接決めて日本が追加点を奪った。その後、北川と杉本の連携からいくつかチャンスをつくったが、ゴールには至らず試合を折り返した。

 

 新戦力の山中とロシアW杯でレギュラーだった原口がアピールに成功した前半だった。後半は途中からピッチに立った選手たちが存在感を示す。14分に森保監督は動いた。杉本、伊東、MF三竿健斗(鹿島アントラーズ)に代えて、大迫、MF堂安律(フローニンゲン)、MF柴崎岳(ヘタフェ)の3人を同時に代えた。

 

 27分、MF守田英正(川崎フロンターレ)の鋭いタテパスをペナルティーエリア内正面で受けた北川がダイレクトでボールを落とすと、これを大迫は右足インサイドでダイレクトシュート。左隅を狙いすましたボールは見事にゴールに吸い込まれた。

 

 この得点直後に原口と北川に代わって、中島とMF南野拓実(ザルツブルク)をピッチに投入した。この1分後、新10番の“ドリブルお化け”が光り輝く。右サイドの南野から堂安にパスが渡る。堂安はペナルティーエリア中央付近に位置する中島にラストパス。中島が右足でゴールを決めてとどめを刺した。

 

 後半は現在の主力が結果を残した。この試合を最後に森保ジャパンは初の公式戦となるアジアカップに臨む。新生日本代表発足後、4勝1分け。上々の結果で、アジアのV奪還のためにUAEに乗り込む。

 

(文/大木雄貴)