(写真:「アジアカップ奪還を目標に戦う」と口にした森保監督)

 日本サッカー協会(JFA)は、UAEで開催されるAFCアジアカップ(2019年1月5日から2月1日)のメンバーを発表した。“新ビッグ3”のMF中島翔哉(ポルティモネンセ)、MF南野拓実(ザルツブルク)、MF堂安律(フローニンゲン)を含む順当なメンバーが選出された。11月は肺気胸の影響のため選外となっていたDF長友佑都(ガラタサライ)と森保ジャパンの初陣以降、怪我の影響で代表から遠ざかっていたFW浅野拓磨(ハノーファー)が復帰した。日本代表(FIFAランキング50位)はウズベキスタン代表(同95位)、オマーン代表(同83位)、トルクメニスタン代表(127位)と同じグループFで、初戦は1月9日のトルクメニスタン戦となる。

 

 森保一監督がA代表監督就任後、初の公式戦となるのが来年1月に開幕するアジアカップだ。同カップで日本は2011年カタール大会以来、2大会ぶりのV奪回を目指す。指揮官は9月からの3カ月で試してきたメンバーを選出した。サプライズなしのほぼ順当な選出でタイトル獲得を狙う。

 

 この23人の選出理由について、森保監督はこう語った。

「私が代表の監督を任せていただいて、9月、10月、11月とキリンチャレンジカップで強化をしてきました。その中で選んできた選手の中で、現時点でのベストな選手を選びました」

 

 浅野は森保ジャパンの初陣となったコスタリカ戦以来の代表合流となったが、今までは怪我が重なり招集するタイミングがなかった。森保監督の構想の中には常に入っていたのだろう。森保監督はサンフレッチェ広島時代の愛弟子について、こう語った。

 

「彼は怪我でなかなかプレーができず、招集していませんでしたが、ここ最近のパフォーマンスを見て招集を決めました。練習にも復帰してしっかりメニューをこなせていたという確認もとれています。私がヨーロッパに視察に行った時も、試合には出場していなかったですが、メンバーには入っていて、コンディションも良さそうでした。直近の試合ではスタメンで出場し、相手のDFラインを突破していました。あのスピードは今の日本代表に必要だと思って招集しました」

 

 日本が属するグループFは、決勝トーナメントを見据えると2位でグループリーグを抜けた方が移動は少なくなる。森保監督はその点を認めつつ、こう述べた。

 

「1試合1試合、勝ちにこだわって戦うという気持ちでいます。1位で抜けたから条件がどうであれ(悪くなっても)1試合1試合勝利を目指して戦う気持ちです」

 

 大会に入ってから状況次第で2位を狙うことは選択肢のひとつだが、大会開幕前から星勘定をする必要はないだろう。4年後のカタールW杯でベスト8に進出するためには、1試合1試合を真剣勝負で戦うことの方が今は重要である。

 

 よくアジアはアジアの難しさがあると耳にする。今までのキリンチャレンジカップと戦い方を変えるのか、という旨の質問についてはこう答えた。

「もともと難しい戦い、厳しい戦いになると思っています。“アジアの中での対策”というところもありますけども、我々が力をつけて、我々が強ければアジアであっても、世界であっても対等に戦えて、勝利もできると思っています」

 

 森保ジャパンは対戦当時、FIFAランキング5位のウルグアイ代表を相手に打ち合いを演じ4対3で勝利した対世界仕様の戦術でアジアカップも臨むと見られる。チーム戦術を浸透させるためにも、1試合でも多く戦いたい。予選から決勝までは7試合ある。連係を高めながら2大会ぶりにアジア王者返り咲きを目指す。

 

【日本代表メンバー】

GK

東口順昭(ガンバ大阪)

権田修一(サガン鳥栖)

シュミット・ダニエル(ベガルタ仙台)

 

DF

長友佑都(ガラタサライ)

槙野智章(浦和レッズ)

吉田麻也(サウサンプトン)

佐々木翔(サンフレッチェ広島)

酒井宏樹(マルセイユ)

三浦弦太(ガンバ大阪)

室屋成(FC東京)

冨安健洋(シントトロイデン)

 

MF

青山敏弘(サンフレッチェ広島)

原口元気(ハノーファー)

柴崎岳(ヘタフェ)

遠藤航(シントトロイデン)

伊東純也(柏レイソル)

中島翔哉(ポルティモネンセ)

南野拓実(ザルツブルク)

守田英正(川崎フロンターレ)

堂安律(フローニンヘン)

 

FW

大迫勇也(ブレーメン)

浅野拓磨(ハノーファー)

北川航也(清水エスパルス)

 

(写真・文/大木雄貴)