Jリーグアウォーズ2018が18日、横浜アリーナで行われ、各賞が発表された。MVPにはMF家長昭博(川崎フロンターレ)が初めて選ばれた。MVP受賞者が川崎Fから選出されるのは一昨年のMF中村憲剛、昨年のFW小林悠に続き、3年連続となった。

 

 ベストイレブンには優勝クラブの川崎FからMVPの家長の他、GKチョン・ソンリョン、DFエウシーニョ、DF車屋紳太郎、DF谷口彰悟、MF大島僚太、MF中村憲剛の7名が選ばれた。同一クラブから7名の選出は過去最多タイ。その他はMFチャナティップ(北海道コンサドーレ札幌)FIFAクラブワールドカップに参戦しているDF西大伍(鹿島アントラーズ)、得点王に輝いたFWジョー(名古屋グランパス)、FWファン・ウィジョ(ガンバ大阪)が選出された。リーグ2位のサンフレッチェ広島からの選出者はなかった。

 

 今季の前半、川崎Fは広島にロケットスタートを切られたが、9月下旬に首位に立つと、そのまま逃げ切り連覇を決めた。MVPの家長は卓越したパスセンス、ドリブルテクニックで川崎Fの攻撃を牽引し続けた。

 

 アウォーズ後の記者会見で家長は「MVPをもらえることは非常に価値のあること。周りに感謝しないと」と語りながらも、こう持論を展開した。

 

「自分自身の感覚としてはMVPをもらえたことよりも毎年、自分が挑戦し、成長する。そういったことの方が価値は高いと思う。MVPをもらっても嬉しいんですが、本当に大事なのはそちらの方かなと思います」

 

 今季はリーグ戦32試合に出場し、6ゴール7アシストを記録。本人は「しょぼい数字」と納得いっていないようだが、一昨年MVPに輝いた同僚の中村は、家長の攻撃面での貢献を絶賛した。

 

「移籍当初はフロンターレに合わせようとしたところもあった。それよりも自分のやりたいことをやる、僕らがそれに合わせることでどんどん良くなっていった。去年の夏以降から今年にかけてはチームの中心としてやってくれた。本当に苦しい時に突破口を開いてくれたのは家長の左足だった。苦しい時に体を張って、ボールをキープしてくれたのも家長だった」

 

 昨季のJリーグ王者として、今季のAFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)に出場したものの、グループステージで敗退。ACLを制覇した鹿島が現在、クラブワールドカップで世界の強豪と戦っている。ACLで勝ち上がれなかったことに家長は悔しさをにじませた。

 

「日本ではフロンターレは認められている存在だと思いますが、アジアではまだまだ。アジアのみんなにもフロンターレのサッカーが強くて勝てるサッカーだと、見せつけたい」

 

 すでに日本国内では攻守において圧倒的なチーム力を誇る川崎F。来季は総合力の高さをアジアでも通用するレベルに成熟させて、世界への挑戦権を狙う。

 

(文/大木雄貴)

 

<2018 Jリーグアウォーズ受賞者一覧>

 

○最優秀選手賞

家長昭博(川崎フロンターレ) ※初

 

○ベストイレブン

 

GKチョン・ソンリョン(川崎フロンターレ)

DF西大伍(鹿島アントラーズ)、エウシーニョ(川崎フロンターレ)、車屋紳太郎(川崎フロンターレ)、谷口彰悟(川崎フロンターレ)

MFチャナティプ(北海道コンサドーレ札幌)、家長昭博(川崎フロンターレ)、大島僚太(川崎フロンターレ)、中村憲剛(川崎フロンターレ)

FWジョー(名古屋グランパス)、ファン・ウィジョ(ガンバ大阪)

 

○得点王

FWジョー(名古屋グランパス)24得点 ※初

 

○ベストヤングプレーヤー賞

MF安部裕葵(鹿島アントラーズ) ※初

 

○優勝監督賞(J1)

鬼木達(川崎フロンターレ)

 

○優勝監督賞(J2)<新設>

反町康治(松本山雅FC)

 

○優勝監督賞(J3)<新設>

キム・ジョンソン(琉球FC)

 

○優秀監督賞(J1)

ミハイロ・ペロトヴィッチ(北海道コンサドーレ札幌) ※初

 

○優秀監督賞(J2)

片野坂知宏(大分トリニータ) ※初

 

○優秀監督賞(J3)

吉田謙(アスルクラロ沼津) ※初

 

○最優秀ゴール賞

MF大島僚太(川崎フロンターレ)第30節対ヴィッセル神戸(等々力)69分

 

○最優秀主審賞

佐藤隆治 ※初

 

○最優秀副審賞

内山宏志 ※初

 

○フェアプレー個人賞

 

GK西川周作(浦和レッズ)

GK秋元陽太(湘南ベルマーレ)

FW澤田崇(V・ファーレン長崎) ※初

 

○フェアプレー賞高円宮杯

セレッソ大阪 ※初

 

○フェアプレー賞(J1)反則ポイントが少ない順に記載

サンフレッチェ広島 ※7年連続8回目

浦和レッズ

V・ファーレン長崎 ※初

鹿島アントラーズ

FC東京

ベガルタ仙台

柏レイソル ※初

川崎フロンターレ

ガンバ大阪

 

○フェアプレー賞(J2)反則ポイントが少ない順に記載

大分トリニータ

アルビレックス新潟

大宮アルディージャ ※初

東京ヴェルディ

ロアッソ熊本 ※初

カマタマーレ讃岐 ※初

FC岐阜 ※初

松本山雅FC

ヴァンフォーレ甲府

 

○フェアプレー賞(J3)反則ポイントが少ない順に記載

ブラウブリッツ秋田 ※初

FC琉球

アスルクラロ沼津

ギラヴァンツ北九州 ※初

ザスパクサツ群馬

FC東京U-23 ※初

Y.S.C.C横浜

ガイナーレ鳥取 ※初

 

○最優秀育成クラブ

横浜F・マリノス ※初

 

○功労選手賞

石原克哉(ヴァンフォーレ甲府)

加地亮(ファジアーノ岡山)

坂田大輔(アビスパ福岡)

土屋征夫(京都サンガFC)

羽生直剛(ジェフユナイテッド千葉)