ニューヨーク・ヤンキースの田中将大が6日、本拠地でのオークランド・アスレチックス戦に先発し、6回を投げて5安打1失点で9勝目(1敗)をあげた。田中は初回にソロホームランを浴び、以降も粘る相手打線に苦しめられたものの、追加点を与えない。ヤンキースは1−1の同点からブレット・ガードナーの一発で勝ち越し。田中の力投に救援陣も応えて1点差を守り切り、2−1で勝利した。これで田中の防御率は2.02にアップし、アメリカンリーグトップの座を守っている。イチローは7回に代走で出場し、そのままライトの守備につくと、8回のピンチでライナーをスライディングキャッチするファインプレー。打席は回ってこなかったが、守りでチームに貢献した。
 37勝22敗でア・リーグ西地区首位を走るアスレチックスの勢いを食い止めた。
 調子自体は決して良くなかった。立ち上がりからストレートのコントロールがばらつき、1死から2番ジョン・ジェイソに高めに浮いた真っすぐをスタンドに運ばれる。6試合ぶりの被弾で先制点を許した。

 アスレチックス打線はチーム打率こそ.253とリーグ8位だが、308得点はリーグトップ。四球を258個選んで出塁を高めることで効果的に得点を稼いでいる。田中は2回、3回と三者凡退に抑えるも、各打者は低めの変化球には手を出さず、直球はカットして簡単にアウトにはならない。

 4回には2死から、4番ブランドン・モス、5番ヨエニス・セスペデスに連打を許し、一、二塁のピンチ。続くジェド・ローリーはカウント2−2からファウルで4球粘る。我慢比べとなったが、最後はバットに空を切らせた田中に軍配が上がった。

 5回も2死一、二塁と得点圏に走者を背負いながら切り抜け、6回を投げ終えたところで球数は104球に達した。6回で降板するのは、敗戦投手となった5月21日のカブス戦以来2度目。だが、束になってかかってきた相手に根負けせず、最少失点でリードを保ち、後続にマウンドを託した。

 これで開幕から12試合連続のクオリティスタート(QS)。今季、すべての登板でQSを記録しているスターターはメジャーリーグで田中ただひとりになった。次回は11日のシアトル・マリナーズ戦に先発予定で、楽天時代の先輩だった岩隈久志との日本人対決が実現しそうだ。