サッカー日本代表(FIFAランキング50位)は13日、アジアカップのグループステージ第2節でオマーン代表(同82位)とUAE・ザイードスポーツシティスタジアムで対戦し、1対0で勝利した。この結果、日本は決勝トーナメント進出を決めた。試合は前半28分にMF原口元気が自ら誘発したPKを左隅に決めて、日本が逃げ切った。日本は17日にウズベキスタン代表(同95位)と対戦する。

 

 終盤は割り切った戦いで時計の針を進めて勝利(ザイード)

日本代表 1-0 オマーン代表

【得点】

[日] 原口元気(28分)

 

 前節のトルクメニスタン代表戦は薄氷の勝利だった。今節のオマーン代表戦は石橋を叩いて渡って掴んだ勝利だったと言えばいいのだろうか。前節はリードしてからの試合の進め方に課題があった。今節は勝利優先の姿勢が見えたものの、焦りが見えたオマーン相手に欲を言えばとどめの2点目を奪って欲しかった。

 

 日本は前節から大迫勇也(ブレーメン)に代えて1トップにはFW北川航也(清水エスパルス)、前節はボランチで起用されたとDF冨安健洋(シントトロイデン)が本職のセンターバックに入り、ダブルボランチの一角にはMF遠藤航(シントトロイデン)が起用された。

 

 試合を振り返ろう。前半、日本は多くの好機をつくった。開始2分にはMF堂安律(フローニンゲン)が右サイドを突破し、グラウンダーのクロスを入れた。これを原口が右足で合わせたが、シュートは枠外だった。

 

 8分にはルーズボールを拾ったMF南野拓実(ザルツブルク)が右足でシュートを放つが相手GKに阻まれた。その6分後にもDF吉田麻也(サウサンプトン)のロングフィードから相手DFラインの裏に抜け出した南野が左足で相手ゴールを襲うがボールはゴール右に逸れた。

 

 24分にも遠藤がピッチ中央付近でボールを奪うと、ゴール前の南野にスルーパスを通す。ボールを受けた南野は右足を振り抜くが相手GKにファインセーブされた。こぼれ球に堂安が詰めたが相手DFのブロックに阻まれた。オマーンがラインを高めに設定し、裏を狙える時間帯に得点を奪えなかったことがこの試合での課題点だった。

 

 このままずるずると試合が進むかと思ったが26分、ロシアW杯レギュラー組のひとりの原口が相手ペナルティーエリア内でうまくPKを誘った。これを自ら冷静にゴール左に蹴り込んで日本が先制した。

 

 1点リードで試合を折り返した日本。正直、後半は勝ち点が欲しいオマーンが攻め急いだがゆえに救われた。焦りすぎてエキサイトしてしまい、相手の連携がちぐはぐになった。オマーンはDF陣がボールを奪うと前線の選手が準備できていないのに慌ててロングボールを放り込んだり、通る可能性の低い縦パスを入れたりと自滅した。この大会、優勝を目指す日本はこの相手に“お付き合い”をするように決定機をつくれなかった。

 

 1対0のまま時計の針は進んだ。終盤には南野ら前線の選手が体を張ってボールを前線に運び相手陣地のコーナーサイドにボールを運ぼうと尽力した。無駄に攻め込み、ボールを取られてカウンターをくらった前節に比べれば“公式戦仕様”の現実的な戦い方ができていた。その点は評価できる一方で、とどめの得点を奪えなかったことが気がかりだ。

 

 次節、日本は17日にウズベキスタン代表(FIFAランキング95位)と対戦する。決勝トーナメント進出を決めた日本には主力を温存しつつも胸のすくような試合を期待したい。

 

(文/大木雄貴)