日体大、4年ぶり17度目の優勝! ~全日本インカレ女子~
日体大が名門対決を制し、王座を奪還した。インカレ最多優勝を誇る日体大と、3連覇中の早大。試合は接戦となった。
序盤から日体大が押した。開始早々に立て続けにシュートを放ち、早大ゴールを脅かす。40分にCKのこぼれ球を大賀が詰めるが、シュートはバーの上へ。前半はスコアレスで終えた。一方の早大はサイドを起点にチャンスを作ろうと試みるが、なかなかシュートまでもっていけなかった。
後半に入っても依然として日体大が主導権を握る。16分、FW島村友妃子(4年)の縦パスに反応した李誠雅(1年)がペナルティーエリア内で右足を振り抜いた。シュートはGKの正面をついたが、ゴールの匂いを漂わせる。
すると17分、ついに均衡が破れる。MF今井裕里奈(3年)が左サイドを駆け上がり、MF茨木美都葉(2年)とのワンツーでペナルティーエリア内に侵入した。左足で低くて速いセンタリングを上げると、三浦がダイレクトで合わせた。
三浦のシュートは身を挺して防ごうとしたGK木付優衣(4年)の右を通過し、ゴールネットを揺らした。木付は「シュートが頭に過った」と中への意識が一瞬遅れたという。殊勲のゴールを決めた三浦は「サイドを崩してくれたので当てるだけで良かった。たまたまいたのでラッキーでした」と微笑んだ。
先制された早大は24分にMF松本茉奈加(2年)、34分にMF冨田実侑(2年)、41分にMF八神友梨弥(4年)を投入して流れを変えようとしたものの、最後まで日体大守備陣を打ち破ることはできなかった。
早大は4連覇ならず。守護神の木付は「勝ち続けている中でプレッシャーもあった」と胸中を明かす。この大会限りで現役を引退する木付はなでしこリーグのジェフユナイテッド市原・千葉から移籍してきた選手だ。「自分を受け入れてくれたア女(早大ア式蹴球部女子)のみんなにも、自分のサッカー人生に関わってくださったすべての人に感謝したいです。楽しい思いをさせてもらったので改めて“サッカーっていいな”と思いました」と笑顔で振り返った。
勝った日体大は4大会ぶりの戴冠。就任1年目の小嶺栄二監督は「早稲田大学さんをすごく警戒していた。攻守にクオリティーが高い。期間は短かったですが、しっかりと準備をして戦えた」と胸を張る。指揮官は「今季はなでしこリーグ残留とインカレ奪還と2つの目標を立てた。選手は良くやってくれた」と目標達成を喜んだ。
今季はOGも在籍する日体大FIELDS横浜としてなでしこリーグ1部に参戦した。なんとか残留は果たしたが、リーグ戦は9位、入れ替え戦に回るほど苦戦した。「苦しい試合が多かった。そこで培ってきた最後まで諦めないボールへの執着心などがチームとして成長してきた部分。このインカレで繋がってきた」と大賀。日体大は有終の美で今季を締め括った。
(文・写真/杉浦泰介)