サッカー・富士ゼロックススーパーカップ2019の川崎フロンターレ(Jリーグ王者)対浦和レッズ(天皇杯王者)の一戦が16日、埼玉スタジアムで行われた。後半7分に川崎Fの新戦力、FWレアンドロ・ダミアンが得点を決めた。先制後、追加点は奪えなかったものの川崎Fが試合を優位に進め1対0でゼロックススーパーカップを制した。

 

 ダミアン、守備でも貢献(埼玉スタジアム)

川崎フロンターレ 1-0 浦和レッズ

【得点】

[川] レアンドロ・ダミアン(52分)

 

 Jリーグの前哨戦と位置付けられているゼロックススーパーカップ。リーグ開幕前に新戦力を試すにはうってつけのゲームだ。ロンドン五輪得点王のダミアンは順調にチームにフィットしていることを証明した。

 

 25分、川崎Fがチャンスを迎える。MF守田英正が中央から右サイドに開くFW小林悠に展開。小林のクロスにゴール前で待つダミアンが反応するもののわずかに合わなかった。

 

 30分にはダミアンがペナルティーエリア左で敵をひきつけ、ゴール前の小林へラストパスを送る。小林は右足を振り抜くがゴール上に外れた。その1分後にも2人の連係からチャンスを作った。右サイドに開いたダミアンがマイナスのクロスを入れる。これを受けた小林は右足でシュートを放つが、惜しくも相手DFにブロックされた。

 

 38分には小林が右サイドから鋭いアーリークロスを供給。ダミアンが頭で押し込みゴールネットを揺らした。だが、ボールを受ける前のダミアンがオフサイドポジションだったため、ゴールは認められなかった。

 

 スコアレスで試合を折り返すが、川崎Fは新戦力が起点となり多くのチャンスを作った。

 

 好機演出に回っていたダミアンが精彩を放ったのは後半7分だった。左サイドからMF家長昭博がファーサイドのダミアンへクロスを入れるとヘッドで折り返す。パスを受けたMF中村憲剛はトラップを試みるが相手DFにカットされた。だが、このこぼれ球に反応したダミアンが左足を一閃。強烈なボレーシュートがゴールネットに突き刺さり川崎Fが先制点を決めた。ダミアンは難しいショートバウンドにうまく合わせロンドン五輪得点王の実力を見せつけた。

 

 川崎Fはこの後も試合を優位に進め浦和にチャンスらしいチャンスを作らせず1対0で試合を締めくくった。

 

 ダミアンは移籍後、初タイトルの喜びをこう語った。

「チームとしても初めてカップ戦を獲れたので嬉しく思う。もっともっとこのチームにいいものをもたらせたいので、このまま引き続きやっていきます」

 

 レベルの高いポストプレーや確実に枠に飛ばすダミアンを獲得した川崎Fが順調な仕上がりをアピールした。テクニックとパワーを兼ね備えた新戦力の加入はリーグ3連覇を狙うチームにとって追い風となる。リーグ開幕は1週間後だ。今年も川崎Fがサッカーファンを楽しませてくれるはずだ。

 

(文/大木雄貴)