サッカー日本代表(FIFAランキング50位)は21日、アジアカップ決勝トーナメントのラウンド16でサウジアラビア代表(同69位)とUAEのシャールジャで対戦し、1対0で勝利した。試合は前半20分にDF冨安健洋(シントトロイデン)のA代表初ゴールで日本が先制。この得点を守り切った日本は24日にベトナム代表(同100位)と対戦する。

 

 冨安、20歳77日アジア杯最年少ゴール(シャールジャ)

日本代表 1-0 サウジアラビア代表

【得点】

[日] 冨安健洋(20分)

 

 サウジアラビアにボールを保持される時間が長く、我慢の時間帯が続いたが、最後まで体を張り準々決勝進出を決めた。

 

 前節のウズベキスタン代表(同95位)戦から武藤嘉紀(ニューカッスル)以外、メンバーを10人入れ替えて臨んだ。

 

 7分、MF原口元気(ハノーファー)が左サイドからクロスを入れる。ゴール前でMF南野拓実(ザルツブルク)がボールに触り、最後はファーサイドのMF堂安律(フローニンゲン)が左足でシュートを放つものの、相手DFにブロックされた。

 

 12分のピンチは新主将のDF吉田麻也(サウサンプトン)が体を張って防いだ。FWファハド・アルムワラドに日本の右サイドを突破されて、クロスを入れられる。DF長友佑都(ガラタサライ)がヘディングでクリアーするが、セカンドボールをMFアブドゥルアジズ・アルビシに拾われて左足を振り抜かれた。これをシュートコースに入った吉田が顔面でブロックし、ゴールを守った。

 

 その8分後、日本が左CKから先制する。キッカーのMF柴崎岳(ヘタフェ)が鋭いクロスを供給。ペナルティーエリア内で冨安がニアにステップを踏み、すぐさまバックステップで相手マーカーを振り切ると、見事にヘディングで合わせて日本が待望の先制点を奪った。このゴールで冨安はアジアカップ最年少ゴール記録(20歳77日)を更新した。

 

 この後、相手が前がかりになったところをカウンターで仕掛けたかったが、ゴールネットを揺らすには至らなかった。35分には日本のゴール前でMFハタン・バヒブリに拾われ、左足でシュートを放たれるが、ゴール右に逸れた。効率よく追加点を奪えず、冷や汗をかいた場面だった。

 

 先制して試合を折り返した日本。リードを広げたかったがゴールは遠かった。15分にカウンターから好機をつくった。左サイドを抜け出した武藤は数的有利の状況で単独で仕掛け、右足でシュート。これは惜しくも相手DFにブロックされた。相手DFとの勝負に時間がかかり、チャンスをふいにしてしまった。

 

 すると、その2分後だった。今度はサウジアラビアに決定機をつくられた。ファハドに左サイドを突破され、ゴール前に折り返される。これを10番のMFサレム・アルダウサリにトラップされて右足でシュートを放たれるが、ボールは大きく枠をそれた。3分後にはバヒブリに左足で際どいミドルシュートを放たれたが、ボールはゴール右に逸れた。日本は相手の決定力不足にも助けられた。

 

 日本にとって苦しい展開が続いたが、最後まで足を止めず粘り強い守備で虎の子の1点を死守し過去3度のアジアカップ優勝を誇るサウジアラビアに競り勝った。日本のボール支配率は30%を下回ったが、しぶとく勝って駒を進めた。次は中2日でベトナムと対戦する。次節は日本がボールを保持しながら、効率よく得点を奪う展開を期待したい。

 

(文/大木雄貴)