26日、全豪オープンテニス女子シングルス決勝が行われ、第4シードの大坂なおみ(日清食品ホールディングス)が第8シードのペトラ・クビトバ(チェコ)をフルセットで下した。大坂は昨年の全米オープンに続きグランドスラム2大会連続優勝。最新の世界ランキングで1位に立つことが決定的となった。

 

“大坂時代”の到来か。グランドスラム2大会連続制覇で、世界ランキング1位の称号もほぼ手中に収めた。

 

 決勝の相手は初対戦のクビトバ。世界ランキング6位のサウスポーは182cmの長身からサーブとストロークを武器とする。2011年と14年のウィンブルドン選手権を制し、16年リオデジャネイロオリンピックでは銅メダルを獲得している。

 

 いずれも勝てば初の世界ランキング1位が確定する。大坂のサービスゲームからスタートした試合は第1セットから白熱した展開となった。大坂はいきなりダブルフォルト。それでもなんとか立て直し、このゲームキープに成功した。

 

 第2ゲームはクビトバがキープ。互いに一歩も譲らなかった。相手にブレークをさせない。6-6でタイブレークを迎えると、大坂が一気に突き放す。7-2でタイブレークを制し、このゲームをモノにする。

 

 第2セットはクビトバがサービスキープ、ブレークで2-0とリードした。だが第3ゲームで大坂がブレークバックすると、4ゲーム連取。第7ゲームはクビトバがキープし、第8ゲームは大阪がキープした。5-3で迎えた第9ゲームは40-0と大坂がチャンピオンシップポイントを手にする。

 

 ところが、クビトバが必死の粘りを見せた。5連続ポイントでキープ。クビトバがブレークを続けて4ゲーム連取し、7-5でセットカウントをタイに戻した。最終セットはクビトバがキープしてスタートする。

 

 ここで崩れないのが、大坂の精神的な成長を感じさせる。第2ゲームをキープして取り返すと、第3ゲームでブレークに成功した。大坂が一歩リードすると第3ゲームもキープして突き放した。互いにサービスキープを続け、5-4で第10ゲームを迎えた。

 

 大坂は強烈なサービス、ストロークで最後まで押す。40-15で再びチャンピオンシップポイントを手にした。大阪の強烈なサーブをクビトバがリターンし切れず、約2時間半にも及ぶ熱戦を制した。

 

 21歳の大坂は勝利が決まった瞬間、しゃがみ込んで歓喜を噛み締めた。17年からの2年間はグランドスラム8大会の優勝者はすべて異なった。戦国時代に突入した女子シングル界で、頭ひとつ抜け出した。

 

 次戦のグランドスラムは5月の全仏オープン。優勝した2大会は得意のハードコートだったが、クレーコートでも結果を残せるか。大坂の最高成績は3回戦どまり。苦手とする赤土が年間グランドスラムの試練となりそうだ。

 

(文/杉浦泰介)