(写真:ⓒ「蹴る」製作委員会)

 電動車椅子サッカーを題材にしたドキュメンタリー映画『蹴る』が3月23日(土)より東京・ポレポレ東中野で公開される。その後も全国で順次公開していく予定だ。

 

 監督は知的障がい者サッカーのワールドカップに出場する日本代表選手たちを追いかけた『プライドinブルー』、ろう者サッカー女子日本代表を描いた『アイ・コンタクト』を手掛けてきた中村和彦。今回の『蹴る』が障がい者サッカードキュメンタリーは3作品目となる。

 

 きっかけは2011年7月になでしこジャパン(女子サッカー日本代表)がW杯で優勝する快挙の前日にあった。電動車椅子サッカーの試合を観戦した中村監督に1人のプレーヤーが目に留まったという。彼女の名前は永岡真理。その試合で唯一の女性選手だった。

 

 中村監督は彼女から溢れ出る勝負への強い意志、サッカーにかける情熱などに惹かれ、電動車椅子サッカーを追うことを決意した。撮影はその年にスタート。そこから電動車椅子サッカーのW杯を目指す選手たちに密着した。W杯開催が延期するなど撮影期間は6年にも及んだ。中村監督は「いろいろなことがあってすごく大変だった」と振り返る。

 

 作品では電動車椅子サッカー選手たちが送る戦いの日々が描かれている。競技にかける想い、障がい、日常生活の様子、恋愛模様など、それぞれのリアルに迫っている。観ていてドキッとする場面もあれば、ほのぼのとするシーンも。<誰にも負けない、誰にも止められない。>物語がそこにはある。

 

 今月16日(土)には「ヨコハマ・フットボール映画祭2019」でも上映される。

 

<映画概要>
『蹴る』

監督:中村和彦

撮影:堺斗志文、中村和彦、森内康博

音楽:森内清敬

公開:2019年3月23日(土)ポレポレ東中野ほか全国順次公開

製作:「蹴る」製作委員会(中村和彦+らくだスタジオ)

配給:「蹴る」製作委員会+ヨコハマ・フットボール映画祭

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