サッカー日本代表(FIFAランキング50位)は28日、アジアカップ準決勝でイラン代表(同29位)とUAE・ザイードスタジアムで対戦し、3対0で勝利した。試合は前半11分にFW大迫勇也(ブレーメン)の得点で日本が先制。後半22分にも大迫が追加点を決めた。終了間際にはMF原口元気(ハノーファー)のゴールがゴールを奪い、決勝進出を果たした。日本はカタール代表(同93位)対UAE代表(同79位)の勝者と2月1日に決勝戦で対戦する。

 

 南野が3ゴールに絡む活躍(ザイード)

日本代表 3-0 イラン代表

【日】 大迫勇也(11分、56分)、原口元気(90+1分)

 

 2大会ぶりの優勝を目指す日本は最前線に大迫を配置するベストメンバーでイランに臨んだ。

 

 前半から日本はタッチ数を少なくテンポよくボールを回すもののゴールネットを揺らすには至らなかった。一方のイランはエースFWサルダル・アズムンにボールを集めた。22分、相手のエースに決定機を与えてしまった。アズムンにカウンターから日本のゴール前でワンツーを使われペナルティーエリア右に侵入される。カバー入ったMF柴崎岳(ヘタフェ)がドリブルでかわされ、右足でシュートを放たれた。これはGK権田修一(サガン鳥栖)が左足ではじき出して難を逃れた。

 

 スコアレスで試合を折り返すと後半11分、日本はMF南野拓実(ザルツブルク)の諦めない姿勢から均衡を破った。大迫からのパスを南野がペナルティーエリア左サイド付近で受ける。だが相手DFと交錯し南野は転倒。この瞬間、イランDF陣は南野が故意に倒れたと主審に詰め寄った。この隙に南野はすぐさま起き上がり左コーナー付近に転がるボールに追いつくと、落ち着いてセンターリングを供給。最後は南野同様、足を止めることなくゴール前に走り込んだ大迫がヘディングで合わせて日本が待望の先制点を決めた。相手の集中を欠いた隙をついて奪ったゴールだった。

 

 10分後には、再び大迫-南野のラインが相手DFを混乱に陥れた。ボックス内左でボールを持った大迫が南野とスイッチ。ボールを受けた南野は左足でクロスを入れた。これをブロックしようとスライディングに入ったMFモルテザ・プーラリガンジの左手にボールが当たりPKを獲得。主審はVARの助言で映像を確認したが、判定は変わらなかった。このPKを大迫がゴール右に決めてリードを広げた。

 

 39分には日本の右サイドからイランに鋭いクロスを入れられた。権田が反応したもののアズムンと重なったため、ボールをファンブルした。しかし、こぼれ球に反応するイラン選手がいなかったため大事には至らなかった。終了間際には、南野のパスに抜け出した原口の左足のゴールで日本がダメを押して強豪・イランを寄せ付けなかった。

 

 今回のアジアカップは全て1点差での勝利だった。南野の献身性、大迫と原口のロシアW杯組が存在感を見せつけてイランから3点をもぎ取った。決勝でも若手とロシアW杯組がうまくかみ合えば、2大会ぶりの優勝が見えてくるはずだ。

 

(文/大木雄貴)