サッカー日本代表(FIFAランキング50位)は1日、アジアカップ決勝戦でカタール代表(同93位)とUAE・ザイードスタジアムで対戦し、1対3で敗れた。試合は前半12分、27分にカタールに先制を許した。後半24分、日本はMF南野拓実(ザルツブルク)のゴールで1点差に詰め寄るが38分、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の映像判定の結果の末に与えたPKを決められた。その後も、日本はゴールネットを揺らすことはなく、2大会ぶりの優勝とはならなかった。

 

 アリ、大会新の9得点(ザイード)

日本代表 1-3 カタール代表

【得点】

[カ] アルモエズ・アリ(12分)、アブデルアジズ・ハティム(27分)、アクラム・アフィフ(83分)

[日] 南野拓実(69分)

 

 2大会ぶりの優勝を目指す日本。初の決勝進出を果たしたカタールの勢いにのまれた。

 

 12分、綺麗なかたちでカタールに先制を許した。ピッチ中央から左サイドにいるMFアクラム・アフィフに展開され、クロスを入れられる。これをゴール前に位置取るエースFWアルモエズ・アリにトラップから、鮮やかなオーバーヘッドで先制ゴールを決められた。派手なかたちで先制されたため、ゴール前に焦点が当たりがちだが、中央からサイドに展開される前にボランチに入ったMF塩谷司(アル・アイン)がしっかりと潰すべき場面だったように映った。

 

 27分にもカタールにゴールラインを割られた。中盤でルーズになった日本のマークの隙を突いたMFアブデルアジズ・ハティムがペナルティーエリアやや右外から左足でカーブをかけてゴールファーサイドを狙われた。シュートは見事、ゴール右隅に吸い込まれて日本はリードを広げられた。2点をリードされるかたちで日本は試合を折り返した。

 

 後半24分、新9番が今大会やっと目に見える結果を残した。右サイドのDF酒井宏樹(マルセイユ)からペナルティーエリア付近のFW大迫勇也(ブレーメン)に鋭いパスが渡る。大迫はダイレクトで南野へ落とす。南野は素早い反転で前を向く。飛び出した相手GKをあざ笑うようにふわりと浮かし、ゴールに左に流し込んだ。

 

 しかしこの後、日本は好機をつくるもののゴールを奪うまでには至らなかった。

 

 34分、カタールの右CK。DF吉田麻也(サウサンプトン)が相手と競った際にボールが手に当たった。主審は一旦、プレーを流したがVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の助言により映像を確認。判定の結果、PKを取られた。これをMFアクラム・アフィフに豪快にゴール左に決められ、勝負あり。日本は2大会ぶりの優勝とはならなかった。

 

 今大会、日本は決勝までコマを進めたものの全体的に攻撃のかたちが構築できずに決勝で涙をのんだ。森保一監督が指揮を執って12戦目で初の黒星となった。

 

(文/大木雄貴)