(写真:とりカエル、選手たちとの記念撮影)

「伊予銀行マッチデー」が1月25、26日の2日間開催された。伊予銀行は男子プロバスケットボールリーグの「B.LEAGUE」愛媛オレンジバイキングス(B2)のオフィシャルクラブパートナーとしてサポートしている。マッチデースポンサーは今年が初の試みだ。

 

 

 

 

 

 昨季、B2西地区4位に終わった愛媛オレンジバイキングスは今季もリチャード・グレスマンHC体制でスタートした。就任2年目の指揮官とともにB1昇格を目指している。しかし、昨季B2得点王のSF/PFチェハレース・タプスコット、愛媛出身のPG/SG俊野達彦という主力が抜けた穴は大きかった。開幕戦から4連敗を喫すると、第18節終了時点で14勝19敗と負けが先行していた。

 

 第18節(1月18、19日)は香川県高松市総合体育館で香川ファイブアローズ相手に2連勝。勢いに乗って地元に帰り、「伊予銀行マッチデー」を迎えた。松山市総合コミュニティセンターでは伊予銀行のマスコットキャラクター・とりカエルが観客の入退場を出迎える。特に小さな子どもたちから好評を得ていたという。

 

(写真:行員によるボランティアが応援グッズが配布)

 試合当日は合計1000名の入場者にアリーナクッションが配布された。クッションには愛媛オレンジバイキングスの他にサッカーのJ2リーグ・愛媛FC、野球の四国アイランドリーグPlus・愛媛マンダリンパイレーツのロゴと「伊予銀行は愛媛のプロスポーツを応援しています」とのメッセージがプリントアウトされている。これには愛媛オレンジバイキングスのみならず、愛媛FCと愛媛マンダリンパイレーツの応援にも行ってほしいとの願いが込められているのだ。

 

 1試合目は金曜日の19時、2試合目は土曜日の15時ティップオフ。いずれも今季の平均観客動員を上回る1200人を超える観客が集まった。伊予銀行からも動員に寄与すべく行員と、その家族が2日間で約1000人参加した。そのおかげもあって25日は平日開催にも関わらず1209人。翌日の1230人に迫る数だった。両日ともハーフタイムに抽選会を実施。それぞれ13名ずつ愛媛オレンジバイキングスのグッズがプレゼントされた。1日目は、とりカエルが抽選会に参加し、会場を大いに盛り上げた。

 

 西地区4位の愛媛オレンジバイキングスに対し、東地区首位の群馬クレインサンダース。1日目はホームの声援を背に躍動した。37-32と5点のリードで前半を終えた。しかし第3クォーターに連続スリーポイントを決められるなど、逆転を許した。第4クォーターも点差を縮めるには至らず70-79で敗れた。PF/Cアンドリュー・フィッツジェラルドが29得点15リバウンド、SFラキーム・ジャクソンが15得点15リバウンドと両外国人選手がダブルダブルと奮闘したが、東地区トップの壁は高かった。

 

(写真:苦戦が続くが巻き返しに期待したい)

 一夜明けて迎えた2日目はデーゲーム。前半までは接戦を演じていたが、後半一気に突き放された。前日に32得点を奪われた相手の得点源をマーク。22得点に抑えたが、その他の選手に得点を決められ、56-85の完敗だった。オフェンス面での低調ぶりが目立った。フィールドゴールパーセンテージは3割を切った。愛媛オレンジバイキングスのオフェンスリバウンド14に対し、群馬のディフェンスリバウンドは34。この差がスコアに表れたと言っていい。

 

 悔しい連敗を喫した愛媛オレンジバイキングス。通算戦績は14勝21敗となり、順位は西地区4位のままだ。昨季B2トップの1試合平均得点(84.1点)をマークしたオフェンス面は80.1点(8位)と4点も減少している。昨季の39.8リバウンドを上回る41.3リバウンドを挙げているインサイドの奮闘を考えれば、シュート成功率のアップなどが喫緊の課題だろう。

 

 現在プレーオフに進出できるワイルドカードの順位は8位。B1昇格へ向けては厳しい道のりが待っている。だからこそブースターの存在がカギを握る。バスケチームのファンを示す『Booster』(ブースター)という言葉は、「後押しする人」を意味する。文字通りブースターの声援が選手の背中を押し、チームにエナジーを与えるのだ。

 

(写真:ハーフタイム抽選会などイベントでも尽力)

 伊予銀行は今後も愛媛オレンジバイキングスへの“ブースト”を惜しまないつもりだ。B.LEAGUEのマッチデースポンサーは初の試みだったが、愛媛FCでのサンクスデーの経験もあり、動員や当日のボランティアをスムーズにできたと手応えを感じているという。バスケの応援は初体験という行員もおり、サッカーとは違う盛り上がりに楽しんでいた者も多かったようである。バスケは会場も市内に近い。アピール次第で観客増にもっと貢献できると感じている。

 

 今回配布した応援グッズをサンクスデーで配布するなどして、ファンやサポーターやブースターを各チーム単位ではなく愛媛という大きな括りで繋ぎ、その輪を広げることができるかもしれない。今後は伊予銀行でもサッカー、バスケ、野球を連携して盛り上がるような取り組みも視野に入れるという。オレンジのエナジーが集い愛媛県を熱くする――。

 

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