今年もスーパーボウルの季節がやってきた。

 第53回大会は日本時間2月4日(月)にアトランタのメルセデスベンツスタジアムで開催される。

 NFL2018年シーズンのチャンピオンを決める世界注目の一戦。栄光のヴィンス・ロンバルディ・トロフィーの獲得を目指し、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)王者ニューイングランド・ペイトリオッツとNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)王者ロサンゼルス・ラムズが雌雄を決する。

 

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 多彩な攻撃が生命線

 

 両チームのここまでの軌跡を振り返ってみることにしよう。

 まずは3年連続のスーパーボウル進出となったペイトリオッツだ。昨年のスーパーボウルではフィラデルフィア・イーグルスに33-41で敗れ、史上6度目の優勝はならなかった。

 

その悔しさを晴らすべく迎えた今季。スタートにつまずくなどペイトリオッツ全盛時代に陰りが見えたかと思いきや尻上がりに調子を上げていった。レギュラーシーズン終盤戦に連敗を喫したものの、結局は10年連続2ケタ勝利となる11勝5敗で東地区王者に。第2シード(地区王者勝率2位)でプレーオフに駒を進めたあたりはさすがである。

 

 AFCディビジョナルラウンドはロサンゼルス・チャージャーズに41-28で勝利。カンファレンス決勝では第1シードのカンザスシティ・チーフスと氷点下の決戦となり、延長戦にもつれ込んだ激闘を制して37-31で振り切った。

 

 衰え知らずの41歳クオーターバック(QB)トム・ブレイディが勝利を引き寄せた。勝負どころでパスを次々と通し、ランニングバック(RB)レックス・バークヘッドのタッチダウンランを呼び込んだのだ。アウェーのプレッシャーなどベテランには関係なかったようだ。プレーオフの延長戦でいまだ負け知らずだという。

 

 この試合は新旧QB対決としても注目を集めた。

チーフスの23歳QBパトリック・マホームズは強肩で知られ、プロ2年目の若手ながらリーグ最多となる50TDをマークするなど一躍、スーパースター候補に名乗り出た。

 ブレイディに勝って、マホームズ時代の到来か? そんな気運が高まっていたなかで、ブレイディが意地を見せたのだった。

 

 今年も“攻撃のペイトリオッツ”は健在だ。

 数いるタレントのなかでもブレイディとのあうんの呼吸で最強のターゲットとなっているタイトエンド(TE)ロブ・グロンコウスキーは相手にとってかなりの脅威となる。ワイドレシーバー(WR)ジュリアン・エデルマンの存在感も光る。司令塔ブレイディから発せられる多彩な攻撃が、ペイトリオッツの生命線となることは間違いない。ブレイディ、そして名将ビル・ベリチックヘッドコーチは9回目のスーパーボウル出場となる

 

 若手の三本の矢

 

 対するラムズはレギュラーシーズンの勢いそのままにNFCを勝ち上がってきた。

 大型補強が当たり、レギュラーシーズンを13勝3敗で西地区王者に。第2シードでプレーオフに進み、NFCディビジョナルラウンドではダラス・カウボーイズを30-22で退けた。カンファレンス決勝ではニューオリンズ・セインツと対戦。こちらも延長戦にもつれ込む接戦の末に26-23で勝利した。

 

 勝利の立役者となったのがNFL指折りのRBであるトッド・ガーリーだ。18年シーズンは17TDを獲得している。

 このセインツ戦では第1クオーターでいきなり13点のビハインドを背負ったが、ガーリーが6ヤードTDを決めるなどして流れを引き寄せている。

 

 ラムズを支えているのは、若手の三本の矢だ。

 24歳のガーリーを筆頭に、同じ24歳QBジャレッド・ゴフ、27歳のディフェンシブタックル(DT)のアーロン・ドナルドが攻守の中軸を担っている。ベテラン中心のペイトリオッツとはまさに対照的である。

 

 ゴフはレギュラーシーズンでパス獲得ヤード4688ヤード(リーグ4位)をマークするなど飛躍を遂げた1年になっている。ドナルドは17年に最優秀守備選手賞に輝き、今季はチームと6年1億3500万ドルで契約を更新した。リーグトップのサック数を獲得するなど、まさに脂が乗っている。

 攻守のバランスの取れたチームではあるが、こちらも「攻撃のラムズ」と言えるだろうか。

 

 ラムズが前回、スーパーボウルに出場したのはセントルイス時代の2002年第36回大会。そのときは17-20の僅差で敗れ、大会MVPに輝いたのが何とブレイディだった。

 

 ラムズが17年ぶりのリベンジなるか、それともペイトリオッツが返り討つのか――。

 いずれにせよカギを握るのは、ブレイディのパフォーマンスになりそうだ。

 

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【放送予定】

 

第53回スーパーボウル

・2月4日(月)8:00~13:30 日テレジータスで生中継!

ニューイングランド・ペイトリオッツ×ロサンゼルス・ラムズ

※ハーフタイムショーはマルーン5、トラヴィス・スコット、ビッグ・ボーイが登場

 

※このコーナーではスカパー!の数多くのスポーツコンテンツの中から、二宮清純が定期的にオススメをナビゲート。ならではの“見方”で、スポーツをより楽しみたい皆さんの“味方”になります。


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