現地時間23日、「FIBAバスケットボールワールドカップ2019アジア地区2次予選(Window6)」がカタール・ドーハで行われ、F組2位の日本代表(世界ランキング47位)が同組6位のカタール代表(同63位)を96-48で破った。日本はF組2位をキープ。今年8月に中国・北京で行われるW杯の出場権を獲得した。

 

 ファジーカス、20得点19リバウンドのダブルダブル(ドーハ)
カタール代表 48-96 日本代表
【第1Q】8-15【第2Q】17-27【第3Q】9-22【第4Q】14-32

 

 4連敗のどん底からの奇跡のV字回復だ。日本は8連勝で自国開催の2006年大会以来のW杯切符をもぎ取った。

 

 スターターは3日前のイラン戦(世界ランキング26位)と同じ。PG富樫勇樹(千葉ジェッツふなばし)、SG比江島慎(栃木ブレックス)、SF田中大貴(アルバルク東京)、PF竹内譲次(A東京)、ニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース)だ。アメリカでプレーする渡邊雄大(メンフィス・グリズリーズ)、八村塁(ゴンザガ大学)の海外組は不在だが、B.LEAGUEで活躍する国内組で今遠征に挑んだ。

 

 カタールに先制を許し、日本の初ゴールはファジーカスだった。4月に日本国籍を取得したオフェンスマシンは富樫のパスを受けるとミドルレンジから柔らかいタッチのシュートを決めた。元NBAプレーヤーでもあるファジーカスはこのクォーター(Q)だけで7得点。更には竹内譲次が奮闘した。田中のスティールからの速攻でダンクを叩き込むと、終了間際にはスリーポイントを決めた。

 

 第2QはSF馬場雄大(A東京)のミドルレンジシュートからスタート。SG辻直人(川崎)、富樫のスリーポイントで続いた。シューターの辻はスリーポイントを3本決める。富樫も負けじと3本とアウトサイドのシュートが光った。比江島にもスリーポイントが決まり、このQだけで27得点。点差を17点に広げて前半を終えた。

 

 日本はQを重ねるごとにスコアを積み上げていく。第3Qは22点、第4Qは32点を挙げて点差を広げた。終わってみれば48点差の大勝。得点源のファジーカスは20得点19リバウンドのダブルダブルという大活躍だった。危なげなく試合終了のブザーを聞いた。ドーハの悲劇の地にしなかった。自力でのW杯切符獲得は98年のギリシャ大会以来、21年ぶりだ。

 

 フリオ・ラマスHCは「4連敗からスタートした。我慢して戦い抜いた選手たちに感謝したい」と喜んだ。司令塔の富樫は「八村選手、渡邊選手、ニック選手の加入もありましたが、B.LEAGUEがスタートして個々のレベルアップでここまでこれたと思います」と振り返る。キャプテンのPG篠山竜青は「アカツキファイブ(バスケットボール日本代表の愛称)ということで日本の夜明けがきたと思う。これから明るい未来をファンの皆様と一緒に楽しみながら突き進んでいきたい」と胸を張った。

 

(文/杉浦泰介)