29日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会の決勝トーナメント1回戦で、コロンビアがウルグアイを2−0で下し、同国初のベスト8進出を果たした。序盤からボールを支配したコロンビアは前半28分、MFハメス・ロドリゲスのゴールで先制。後半5分にもロドリゲスの追加点でリードを広げた。8強入りしたコロンビアは準々決勝で開催国・ブラジルと対戦する。

 2得点のロドリゲス、先制弾は圧巻の左足ボレー(リオデジャネイロ)
コロンビア 2−0 ウルグアイ
【得点】
[コ] ハメス・ロドリゲス(28分、50分)

 英雄の後継者が、英雄が果たせなかった舞台にチームを導いた。背番号10を背負う22歳のロドリゲスが、快勝の立役者だった。

 コロンビアはボールポゼッションを高めて、ウルグアイゴールに迫った。12分、センターサークル内でボールを受けたスニガがドリブルで持ち上がり、敵陣中央から右足でシュートを放つ。だが、ムスレラに防がれる。 

 人数をかけて守るウルグアイを崩し切れなかったコロンビアだが28分、ロドリゲスの驚愕弾で先制に成功した。MFアベル・アギラールが頭でPA手前に送ったボールを、ロドリゲスがゴールに背を向けて胸トラップ。振り向きざまに左足を振り抜くと、シュートはクロスバーを叩いてゴールネットを揺らした。スタジアムに駆け付けた大勢のコロンビアサポーターは狂喜乱舞。ロドリゲスは初戦から4戦連続弾となり、得点ランキング首位に並んだ。

 リードを奪ったコロンビアは、その後も優勢に試合を進め、ペースを握ったまま後半に突入した。

 すると後半5分、再びこの男が会場を沸かせた。DFパブロ・アルメロが左サイドからクロスを上げ、ファーサイドでMFファン・クアドラードがヘディングで中央に折り返す。ここにポジショニングしていたロドリゲスが、右足でゴールに押し込んだ。これで得点ランク単独トップ。ゴール後はチームメイトとダンスでゴールを祝福した。コロンビアにとっては、反撃を試みるウルグアイの出鼻をくじくかたちとなった。

 エースの得点でリードを広げたコロンビアは、その後もボールを支配しながら、危なげないゲーム運びを見せる。勝利がほぼ確実となった40分には、ロドリゲスを下げてFWアドリアン・ラモスを投入。背番号10は、割れんばかりの大歓声を背にベンチへ退いた。

 終盤はウルグアイの攻勢に押し込まれたものの、GKダビド・オスピナを中心にゴールを許さなかった。

 チームの大黒柱だったラダメル・ファルカオが負傷で大会を欠場した中で、コロンビアの躍進を支えているのは、間違いなくロドリゲスだ。準々決勝で戦うブラジルのナンバー10・ネイマールは同世代。果たして、コロンビアの新たな英雄は背番号10対決を制して、更なる高みに辿り着けるのか。

(鈴木友多)

【コロンビア代表】

GK
ダビド・オスピナ
DF
クリスティアン・サパタ
マリオ・ジェペス
パブロ・アルメロ
ファン・スニガ
MF
カルロス・サンチェス
アベル・アギラール
ハメス・ロドリゲス
→アドリアン・ラモス(85分)
ファン・クアドラード
→フレディ・グアリン(81分)
FW
テオフィロ・グティエレス
→アレクサンデル・メヒア(68分)
ジャクソン・マルティネス

【ウルグアイ】

GK
フェルナンド・ムスレラ
DF
ディエゴ・ゴディン
ホセ・マリア・ヒメネス
マキシミリアーノ・ペレイラ
マルティン・カセレス
MF
アルバロ・ペレイラ
→ガストン・ラミレス(53分)
クリスティアン・ロドリゲス
エヒディオ・アレバロ・リオス
アルバロ・ゴンサレス
→アベル・エルナンデス(67分)
FW
ディエゴ・フォルラン
→クリスティアン・ストゥアニ(53分)
エディソン・カバーニ