(写真:キャプテンの吉田<中央>がカップを掲げ、V11に沸くJX-ENEOSのメンバー)

 女子バスケットボールの第20回Wリーグプレーオフ・ファイナル第2戦(2戦先勝方式)が3日、東京大田区総合体育館で行われ、JX-ENEOSサンフラワーズ(レギュラーシーズン1位)が三菱電機コアラーズ(同3位)を82-76で破った。JX-ENEOSは前日の第1戦に続き2連勝。史上最多となる11年連続22度目の優勝を果たした。試合終了後にはアウォードが開催され、シーズンMVPにはJX-ENEOSのセンターフォワード(CF)渡嘉敷来夢が輝いた。

 

 渡嘉敷、24得点12リバウンドのダブルダブル(大田区総合体育館)

JX-ENEOSサンフラワーズ 82-76 三菱電機コアラーズ

【第1Q】19-13【第2Q】24-14【第3Q】17-27【第4Q】22-22

 

 節目の20回となったWリーグを制したのは、女王JX-ENEOSだった。

 

 チームは今季新しく生まれ変わったと言ってもいい。これまで得点源となっていたガード(G)吉田亜沙美、センター(C)大崎佑圭が今季からはスターターから外れ、入社3年目のG藤岡麻菜美、同2年目のC梅沢カディシャ樹奈が起用された。吉田はシックスマンとしてチームを支えたが、大崎は今季選手登録もしていない。

 

 第1Qは19-13、第2Qは24-14とリードした。エースの渡嘉敷、フォワード(F)宮澤夕貴、ガードフォワード(GF)岡本彩也花が2桁得点。渡嘉敷はインサイドで力を発揮し、宮澤は3ポイントを3本も成功させた。岡本は鋭いドライブで切り込んだ。前半終了時点で43-27とJX-ENEOSが16点ものリードを奪った。

 

 しかし初のファイナルとなった三菱電機も意地を見せる。第3Qは3ポイントシュートが面白いように決まり出し、27得点を挙げた。このQだけでF根本葉瑠乃が3ポイント3本決めるなど、チームで6本成功させた。一方でJX-ENEOSは17点どまり。得点差は6点差に縮まった。

 

 第3Qだけ見ればリードを許したものの、吉田がコートに立つ時間を増やして耐えた。今季は切り札としてベンチスタート。ここぞで頼りになる大黒柱は、ゲームメイクでチームを牽引する。渡嘉敷とのホットラインも健在。味方からのパスを決め続けたエースは「みんなが苦しい場面でボールを預けてくれた。どんなかたちでも点とらないといけない」と語る。

 

 結局、6点のリードを守り切り、JX-ENEOSの優勝が決まった。これで前人未到の11連覇。前身の日本リーグ時代を含めても初の快挙である。日本リーグも合わせての通算22回目の優勝は2位以下を大きく突き放す。佐藤清美HCは「あまり意識しないでいようと思っても気にしてしまう。非常に苦しいシーズンだった」と振り返る。

 

 それでも終わってみれば、レギュラーシーズンを20勝2敗で1位でプレーオフへ進み、プレーオフでは1度も負けなかった。全日本総合選手権大会との2冠達成。今季も女王の座を譲らなかった。

 

(文・写真/杉浦泰介)