日本代表の試合だよ、全員集合!

 

 いや、もはや海外組の主力をすべて呼び戻す時代じゃないのかもしれない。

 1月、UAEで開催されたアジアカップで決勝までの7試合を戦った森保ジャパンは3月22日にロシアワールドカップでも戦ったコロンビア代表と日産スタジアムで、同26日にボリビア代表とノエビアスタジアム神戸で親善試合を行う。

 

 南米勢との2連戦。6月に出場する南米選手権を想定したマッチメークになっており、貴重な強化試合となることは言うまでもない。ただ、アジアカップで1カ月以上にわたって代表チームに拘束した海外組の招集については慎重に考えるべきだと考えていた。

 

 そんな折、5日付のスポーツ報知にて気になるニュースが出ていた。

 日本協会がキャプテンの吉田麻也(サウサンプトン)、大迫勇也(ブレーメン)、長友佑都(ガラタサライ)、酒井宏樹(マルセイユ)の招集回避を検討しているという内容だった。

 

 無論、賛成である。

 ドイツに戻った大迫は背中痛によって欠場が続いている。また吉田はアジアカップ後、控えに逆戻りしてしまった。2月27日のフルハム戦で約2カ月ぶりに先発フル出場を果たしており、終盤戦に専念してもらったほうがいい。大迫は招集できるコンディションではないため当然とも言えるが、代表キャリアの長い吉田、長友、酒井はいつ招集しても計算できる選手たちだ。

 

 ただ、個人的には彼らのみならず、新天地アラベスで出場機会を得ている乾貴士や、ブンデスリーガで残留争いに巻き込まれている原口元気(ハノーファー)、そして海外移籍したばかりの伊東純也(ゲンク)、権田修一(ポルティモネンセ)らにも拡大していいのではないだろうか。長距離移動の往復、時差調整は、コンディションに影響が出る恐れがある。ほかに試したい選手がいるのなら、無理に呼ばなくていいと思うのだ。

 

 逆に出場機会に恵まれていない武藤嘉紀(ニューカッスル)、柴崎岳(ヘタフェ)は、試合に飢えているのではないだろうか。それぞれの個人状況を考慮しながら、判断していただきたい。

 

 日本代表で使ってみたい選手が増えているからこそ、「入れ替え」は可能となる。ベルギーのシントトロイデンで2ケタ得点をマークする鎌田大地は、今回ぜひ見たい選手の一人だ。冨安健洋、遠藤航とチームメイトもいるため、森保ジャパンに馴染むのも時間は掛からないだろう。

 

 代表復帰が噂される香川真司(ベシクタシュ)や、オランダのヘーレンフェーンで自分の地位を築いている小林祐希、ベルギーのセルクル・ブルージュでプレーする植田直通あたりも候補になってくるだろうか。

 

 森保一監督は、多くの選手をテストしながら全体を底上げしていく青写真を描いているように思える。東京五輪世代のA代表抜擢も、増えていくに違いない。

 

 指揮官は以前、こう語っていた。

「若い世代をレベルアップさせることで日本代表全体の選手層を厚くすることができると思っています。若い選手がキャリアを重ねた選手と一緒にプレーすることで学べることも多い。そして所属クラブに戻って代表の経験を成長に繋げてくれればいいし、チームにも還元できるんじゃないか、と。ほかの選手たちにも『アイツができるならオレだって』と思ってもらいたい。チーム力が上がり、日本国内のサッカーがもっと盛り上がっていけばいい。代表で見てみたいなって思う選手はほかにももっといます。代表だけではなく、所属チームに戻ってからの変化、成長まで見ていきたい」

 

 これまであまり出番がなかった選手、新しい選手には大きなチャンスとなる。常連メンバーを脅かす存在が出現することを期待したい。


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