(写真:試合前にはニュージーランド・クライストチャーチで起きた事件の犠牲者に黙祷が捧げられた)

 16日、スーパーラグビー(SR)の第5節が東京・秩父宮ラグビー場で行われ、日本のヒト・コミュニケーションズ サンウルブズがオーストラリアのレッズに31-34で敗れた。サンウルブズは前半を19―5とリードしながら、後半4トライ奪われるなど逆転を許した。今季はこれで1勝4敗。一方のレッズは今季初勝利で1勝3敗となった。サンウルブズの次節はシンガポールで3月23日、南アフリカのライオンズと対戦する。

 

 7点差以内の負けでボーナスポイント1点を加えたものの、勝ち点4を逃したと言っていいだろう。サンウルブズは今季ホーム初勝利を手にしかけていた。

 

 前半は理想的な展開で終えた。12分にCTBマイケル・リトルがパスダミーを入れて左サイドを大きくゲイン。FLダン・プライヤーに繋ぐと、最後はSHジェイミー・ブースがインゴール左中間に飛び込んだ。SOヘイデン・パーカーのコンバージョンキックも決まり、7点のリードを奪う。

 

 19分にラインアウトモールからトライをねじ込まれた。7-5と迫られたが、23分には左サイドから大きく右に展開した。ブースからパーカー、WTBゲラード・ファンデンヒーファー、最後は大外のNo.8ラーボニ・ウォーレンボスアヤコがトライを挙げる。角度のない右サイドからのコンバージョンもパーカーが決めた。

 

 さらに37分には鮮やかなパスワークでレッズを突き放す。ブースを起点に左へ展開するとプライアー、ウォーレンボスアヤコ、WTBホセア・サウマキ、FBジェイソン・エメリーが速いテンポで繋ぐ。再びパスを受けたプライアーがインゴール左に飛び込んだ。21-5と大きくリードを奪って前半を終えた。

 

 ところが後半はレッズの反撃に遭う。縦への突破を許し、大きくゲインされた。3トライ3ゴールを奪われ、21-26と逆転された。ここで途中出場の選手の活躍で息を吹き返す。No.8アマナキ・レレイ・マフィが粘り強い突破で前進すると、SH内田啓介のトライで追いついた。パーカーはコンバージョンに加え、33分にはPGを決めた。31-26とリードを広げて終盤を迎える。

 

 35分、自陣まで侵入されたサンウルブズ。内田がボールを蹴り出そうとしたところで、チャージされる。そのままSHテイト・マクダーモットにトライを許す。ここまでは同点どまりだったが、終了間際に自陣で痛恨のペナルティー。FBハミッシュ・スチュワートにPGを決められて31-34でノーサイドとなった。

 

(文・写真/杉浦泰介)