ボクシングのWBO世界フライ級タイトルマッチが16日、岐阜メモリアルセンターで愛ドームで行われ、王者の田中恒成(畑中)が同級4位の田口良一(ワタナベ)を判定で下した。田中は初防衛に成功。元ライトフライ級世界王者の田口は2階級制覇はならなかった。

 

『THE FATE』(宿命)と銘打たれた日本人対決は無敗王者の田中が制した。田中と田口はライトフライ級王者時代の2017年、統一戦が目前まで迫った。しかし田中が9月の防衛戦で負ったケガで、一度は立ち消えになっていた。

 

 両者の直接対決はWBO世界フライ級のタイトルマッチとして実現した。田中は階級を上げて3階級制覇を達成し、王者として挑戦者を迎える。一方の田口はライトフライ級の王座を失い、フライ級初戦の再起戦だった。

 

 挑戦者・田口は17年12月に統一王者になった際に使用したEUROPEの『THE FINAL COUNTDOWN』で、王者の田中はQUEENの『I Was Born To Love You』に乗って王者は後に登場した。

 

 試合は接近戦で打ち合う展開。手数で圧倒する田中が終始リードした。12ラウンドを終え、ジャッジは2人が117-111、1人は119-109で王者を支持した。ダウンこそ奪えなかったが、因縁の相手に完勝だ。13戦無敗のままWBO世界フライ級王座の初防衛に成功した。

 

(文/杉浦泰介)