シカゴ・カブスの和田毅が9日、敵地でのシンシナティ・レッズ戦でメジャー初登板初先発を果たし、5回5安打1失点(自責点0)で勝敗はつかなかった。和田はFA移籍で2012年にボルチモア・オリオールズと2年契約を結んだものの、左ひじの靱帯損傷で手術を受け、ここまでメジャーでの登板がなかった。試合はカブスのリリーフ陣が崩れ、5−6でサヨナラ負け。勝利投手の権利を持ってマウンドを降りた和田のメジャー初白星はお預けになった。
 長い道のりだった。
 オリオールズと2年総額815万ドル(当時レートで約6億3600万円)の契約を結び、先発ローテーションの一角として期待されていた左腕に異変が起こったのはメジャー1年目のスプリングトレーニングだ。左ヒジ痛を訴え、診断結果は靱帯損傷。腱の移植手術を受け、1年を棒に振った。

 勝負の2年目も5月に実戦復帰を果たしたが、メジャーのマウンドに立つことはかなわず、3A止まり。オフには自由契約となり、今季はカブスとマイナー契約を結んでの再出発だった。

 だが、オープン戦では打ち込まれ、一時は自由契約に。再びカブスと契約を結び直し、3Aで開幕を迎えた。マイナーでは16試合に登板して9勝4敗、防御率2.55。安定した成績を残したことで6月に球団はメジャー契約を交わしていた。

 カブスは現在、ナ・リーグ中地区最下位に低迷しており、ジェフ・サマージャとジェーソン・ハメルの両先発を放出し、来季も見据えてチームの立て直しに着手している。その結果、和田にメジャー昇格のチャンスが巡ってきた。今後を左右する初登板で一定の結果を残したことで、次回以降へ視界が開けてきたと言えそうだ。