ニューヨーク・ヤンキースの田中将大が現地時間9日、右ひじの炎症により、15日間の故障者リスト(DL)入りした。田中は前日の登板でメジャーリーグ移籍後ワーストとなる10安打を浴びて5点を失い、4敗目を喫していた。試合後、右ひじに痛みを訴え、検査を行っている段階という。DL入りにより、田中は予定されていた14日のボルチモア・オリオールズ戦の先発登板を回避し、選手間投票で選出されていたオールスターゲーム(16日)の出場も困難になった。代わってア・リーグではボストン・レッドソックスの上原浩治が球宴メンバーに選ばれた。上原はメジャー6年目で初のオールスター出場となる。
 デビュー以来、順調に勝ち星を重ねていた右腕をアクシデントが襲った。
 今季、ヤンキースに移籍した田中は、開幕から全登板で6回以上を投げ、12勝4敗、防御率2.51の成績を残していた。ボールやマウンド、中4日での登板や長距離移動といった日本との環境の違いを全く感じさせず、デビューからメジャータイ記録となる16試合連続のクオリティスタート(QS)を達成した。

 ただ、4日のミネソタ・ツインズ戦で7回4失点となり、連続QSの記録が途切れると、続く9日の前回登板(クリーブランド・インディアンス戦)では2本のホームランを含む2ケタ安打を打たれ、6回途中5失点で敗戦投手となっていた。

 チームは46勝44敗でア・リーグ東地区3位と波に乗り切れず、先発投手陣はCCサバシア、マイケル・ピネダ、イバン・ノバと故障者が続出している。それだけにスターターとしての役割を果たし、勝利をもたらす新人右腕の存在は貴重だった。

 2年前に鳴り物入りで海を渡ったダルビッシュ有(テキサス・レンジャーズ)の場合、1年目は適度に登板間隔を空けるといったベンチの配慮があった。しかし、ヤンキースの現状ではそれも難しく、田中にかかる負担は日増しに大きくなっていた。今後はチームドクターの診断を仰いで治療や復帰までのプランを決定する模様だが、万一、長期離脱となれば本人にもチームにとっても痛すぎる事態となる。

 その田中に代わってオールスター初出場が決まった上原は今季はレッドソックスの守護神に定着。チームはア・リーグ東地区最下位に低迷する中、5勝2敗18セーブ、防御率1.27と盤石の内容をみせている。昨季のオールスターでは最後の1枠をファン投票で決める候補者5名のひとりにノミネートされたものの、選ばれなかった。念願の球宴では、伝家の宝刀スプリットをナ・リーグのバッター相手に披露することになりそうだ。