「マツダオールスターゲーム2014」第1戦が18日、西武ドームで行なわれ、投打がかみ合った全セが7−0で完封勝ちを収めた。全セは3回以降、全パの2番手以降の投手から効率よく得点を重ね、試合の主導権を握った。7回表には現在、打点、ホームランともに12球団トップの成績を誇るエルドレッド(広島)がダメ押しとなる2ランを放ち、試合を決定づけた。一方、全パ打線は3、4回には連続で2死満塁とするなど、ランナーをスコアリングポジションに進めるも、あと1本が出ず、全セの6投手から得点を奪うことができなかった。MVPには3安打4打点のエルドレッドが選ばれた。

◇第1戦
 エルドレッド、3安打4打点でMVP(西武ドーム)
全セ   7 = 003010201
全パ   0 = 000000000
勝利投手 前田(1勝0敗)
敗戦投手 西(0勝1敗)
本塁打  (セ)エルドレッド1号2ラン
 西武ドームで行なわれた第1戦は、両先発の好投で幕を開けた。まずは地元西武ドームで割れんばかりの歓声で迎えられた全パの先発、岸孝之(埼玉西武)が初回、三者凡退に切ってとる。そして圧巻だったのは2回表。シーズン中に見せる冷静なピッチングとは一転、強気に攻める岸が、4番・エルドレッド(広島)、5番・キラ(広島)をチェンジアップで、そして最後は6番・バレンティン(東京ヤクルト)を150キロのストレートで、全セが誇る強打者を、3者連続の空振り三振に切ってとり、西武ファンが多く詰めかけた会場を沸かせた。

 一方、全セの先発、現在12球団トップの防御率を誇る前田健太(広島)は、いつも通り技ありのピッチングで全パをきっちりと抑える。初回は先頭の陽岱鋼(北海道日本ハム)の空振り三振を皮切りに3人で仕留めると、2回裏も打たせて取るピッチングで完璧に全パ打線を封じた。

 試合が動いたのは3回表。全セは代わったばかりの全パ2番手、西勇輝(オリックス)から1死後、8番・堂林翔太(広島)が両軍合わせて初安打を放つと、谷繁元信(中日)も史上最年長安打で続き、一、三塁とした。2死後、2番・菊池涼介(広島)、3番・鳥谷敬(阪神)、エルドレッドが三者連続タイムリー。全セがこの回、一挙3点を先制した。

 その裏、全パは先頭の7番・藤田一也(東北楽天)が前田健から全パ初安打を放つ。2死後、陽が内野安打で出塁すると、2番・銀次(楽天)は四球を選び、満塁とした。ここで迎えた打者はプロ野球を代表する強打者の糸井嘉男(オリックス)。絶好のチャンスだったが、糸井は前田健のストレートを打ち上げ、センターフライに倒れた。全パは4回裏にも、この回からマウンドに上がった全セ2番手の大野雄大(中日)から2死満塁とチャンスをつくるも、9番・今宮健太(福岡ソフトバンク)がセカンドフライに終わった。

 5回表、全セは全パの3番手・福山博之(楽天)からエルドレッドのタイムリーで1点を追加。さらに7回表には2死二塁からエルドレッドに一発が飛び出し、全パを突き放した。

 7回裏、全パは2死ながら一、三塁とまたもチャンスをつかむ。すると、ここで全セの原辰徳監督(巨人)は井納翔一(横浜DeNA)に代えて、右肩痛で戦列から離れていた一岡竜司(広島)にスイッチした。オールスターでの復帰登板に、一岡は奮起する。大引啓次(オリックス)を内野ゴロに打ち取った。

 これで完全に流れを引き寄せた全セは、8回を山口鉄也(巨人)、9回を三上朋也(DeNA)が三者凡退に切って取り、全セが7−0で快勝。19日、甲子園で行なわれる第2戦は、全セ・藤浪晋太郎(阪神)、全パ・大谷翔平(北海道日本ハム)の同級生対決で幕を開ける予定だ。