二宮清純: この人と飲みたい、今回のゲストはタレントの松村邦洋さんです。
松村邦洋 よろしくお願いします。


二宮: 雲海酒造の『木挽BLUE』を飲みながら、松村さんの大好きなプロ野球や高校野球談義に花を咲かせましょう。早速ですが松村さん……というか、親しみを込めていつものように「まっちゃん」と呼んでもいいですか?
松村 全然、かまいませんよ。今日は野球どころ愛媛出身の二宮さんとの対談だと聞いて、楽しみにしていました。

 

二宮: では、まず『木挽BLUE』で乾杯といきましょう!
松村 僕は氷をたっぷり入れたロックでお願いします。うーん、香りが良くて、のど越しもスッキリしていますね。なんだか1日の終わりに、こうやって美味しいお酒を飲むのはいいものですね。

 

二宮: 仕事の疲れも癒されます。
松村 それもありますが、阪神が東京ドームで3連敗(4月2~4日)したこともスーッと忘れられそうです。


二宮: アハハハ。まあ、まだプロ野球は開幕したばかりです。秋の美酒を夢見て、我々はグラスの白星を重ねていきましょう。

 

 

 

 

 アンチGの父

 

二宮: さて、今さら言うまでもありませんが、まっちゃんは熱烈な阪神ファンとして知られています。子供の頃からですか?
松村 そうですね。僕は山口県の田布施町という小さなまちで生まれ育ちました。野球文化圏としては広島カープの影響も受けている場所ですが、そんな環境でウチの親父は阪神ファンであり、さらにとにかく巨人が負けていれば機嫌がいいというタイプでした。

 

二宮: いわゆるアンチGですね。
松村 それです。僕が小学校に入るときにお婆ちゃんが野球帽を買ってくれたんですよ。ところがこれがよりによって「YGマーク」の帽子でした。親父が「その帽子はダメだ。こんな帽子を被っていたらロクな人間にならない」と、没収ですよ。

 

二宮: アハハハ、目に浮かびますね。お父さんは今もお元気で?
松村 おかげさまで健在です。正月に帰省すると「つまらんヤツが帰ってきたなー」とか言われますけどね。昭和11年生まれ、とうに80歳は超えてますけど元気ですよ。

 

二宮: 昭和11年!? じゃあ長嶋茂雄さんと同い年じゃないですか。
松村 そうなんです。よく「長嶋もなあ、あいつも巨人にさえいなきゃいいヤツなんだがなあ」と言ってますよ。まるで学校の同級生みたいな口調で。

 

二宮: アハハハ、アンチも巻き込んで長嶋さんは国民的同級生とでもいった感じなんでしょうね。さて、まっちゃんの少年時代、憧れだった阪神の選手は? 田淵幸一さん?
松村 田淵さんは僕らよりもちょっと上の世代のファンが憧れた選手なんですね。僕らだとやはり掛布雅之さんですね。

 

二宮: まっちゃんのモノマネでもお馴染みの掛布さんですね。となると、一番の思い出は1985年のリーグ優勝?
松村 そうですね。バックスクリーン3連発なんて最高の思い出ですね。ただ85年の21年ぶりのリーグ優勝、そして球団初の日本一も思い出に残っていますが、僕はその前の83年や84年、安藤統男さんが監督をされていた時代も好きなんですよ。

 

二宮: 掛布さん以外に、その頃のご贔屓は?
松村 僕は外野手の北村さんが好きでしたね。

 

二宮: 背番号5の北村照文さん。広い甲子園に似合う俊足かつ強肩のセンターでした。
松村 はい。当時、阪神は真っ白なタテ縞のユニホームだったんですが、北村さんがカクテル光線に照らされた甲子園の外野の芝生でダイビングキャッチをすると、サーッと白い光線が走るように、芝生の緑と真っ白なユニホームのコントラストが絵になっていました。ものすごく美しい光景だったんですよ。

 

二宮: 他にも当時の阪神には佐野仙好さんなどいぶし銀の選手がいましたね。
松村 佐野さんは81年の初代勝利打点王ですからね。85年はバース-掛布-岡田のクリーンアップの後に勝負強い佐野さんでしたから、相手チームは相当にイヤだったでしょう。今はフロントに入られていて、キャンプを見学に行くと良くしてもらっています。

 

 「藤浪の不調は僕のせい?」

 

二宮: キャンプは取材ですか?
松村 いやー、僕なんて取材というか、まあ見せていただいてるという感じです。邪魔にならないような遠くの場所で見ているんですが、佐野さんはとても良い方で、「まっちゃん、こっち来て見なよ」と椅子を用意してくれます。

 

二宮: プロの練習は間近で見ると迫力ありますよね。
松村 はい。ちょうどそのときは投手陣がキャッチボールをしていて、藤浪晋太郎投手が投げていました。で、僕が見ている付近にたまにボールが逸れてくるんですよ。佐野さんは「どう、まっちゃん。もっと近くで見ていいよ」と、どんどん前の方に椅子を動かしてくれるんですが、藤浪投手のボールが逸れてくるのが気になって、気になって。僕はジリジリと下がり気味になり、それで、こっそり佐野さんの陰に隠れるように動いたんですよ。やっぱり、プロのボールは怖いですから。

 

二宮: 当たったら大変ですよ。
松村 そうしたら、こそっと隠れたのを平田勝男2軍監督が見ていて、「まっちゃん、なんで下がってんの。当たっていいんだから」って。

 

二宮: アハハハ、いくら体を張る芸人さんでもそれは。
松村 僕も「いや、平田さん勘弁してください」と言ったら、「当たっていいんだって。ああいう風に隠れるの、ピッチャーは気にするよ。信用されてないんだな、って。藤浪も気にしちゃったかもしれないなァ」だって。

 

二宮: あれ、もしかして藤浪投手の不調の原因は?
松村 いやいやいや、二宮さんまで勘弁してくださいよ。でも藤浪投手に関しては、周りがいろいろと言い過ぎな感じもしますね。周囲の協力があってこその藤浪晋太郎なんだと僕は思いますよ。僕らお笑い芸人と一緒です。

 

二宮: 一緒というと?
松村 たとえばトーク番組で僕らがワーッと喋ったあとに「それ、どこが面白いんだ?」と真顔で言われると、その後、喋れなくなりますよ。僕はそれをトークのイップスと呼んでいるんですけどね、藤浪投手もその状態です。もうワーッと投げたら、周りが「おお、すげー」と。そういうリアクションでいいんですよ。それを「なんだ、そのボールは?」なんて言うと、「松村、今のはどこが面白いんだ?」と延々と言われているようなものですよ。「何が面白いんだ?」「どこで笑うんだ?」とか、本当、勘弁してくださいって……。

 

二宮: 阪神は応援も激しい分、ヤジも強烈なものがありますからね。
松村 ヤジにももっと温かい愛が欲しいですよね。「どこが面白いんだ」なんて言われたら喋れない、ピッチャーなら投げられないですよ。

 

二宮: さて、まっちゃんの本業のお話をうかがいましょう。モノマネのレパートリーは150を超えていると聞きますが、野球界でもネタになっている方は掛布さんを始めとして、野村克也さん、達川光男さんなどバラエティに富んでいます。あれはビデオとかで研究しているんですか?
松村 ビデオも見ますけど、やはり基本は好きな人のことをマネするので、自然と滲み出てくるというんですかねえー。

 

 貴乃花部屋のちゃんこ

 

二宮: まっちゃんと話していると、たまに野村さんが降臨してきてビックリします。
松村 野村さんとはこの前、久しぶりにお会いしましたが、やはり奥様を亡くされて寂しそうでしたね。

 

二宮: どんな感じでしたか?
松村 『わしは、サッチーが亡くなってさびしィー! もう、にっちもサッチーもいかない、なんてな。田中はヤンキースで頑張ってるようだな。マー君、神の子、不思議な子。カツノリ、俺の子、普通の子、なんてな』

 

二宮: それ怒られますよ(笑)。最近だとドラフト会議のナレーター、関野浩之さんのモノマネがお気に入りだとか?
松村 『第一回選択希望選手、北海道日本ハム、吉田輝星。よしだこうせい、よしだこうせい。阪神、吉田義男。よしだよしお、よしだよしお』

 

二宮: 言わない、言わない(笑)。そういえば、この前は貴ノ岩関の断髪式に出席して、貴乃花親方の顔マネでハサミを入れるというエンターテイナーぶりを発揮されていました。
松村 はい。親方の時代に何度か稽古を見学に行って、ちゃんこもごちそうになりました。親方が『まっちゃん、ちゃんこは太りませんからぜひ食べてください』っていうからいただいて、それで『ちゃんこは太りませんから、もう1杯いきましょう』っておかわりをして、そうしたら『まだいけるでしょう。ちゃんこは太りませんから』と。それでバクバク食べたら、3キロ太っちゃいましたよ。

 

二宮: アハハハ。いやー、顔が親方にそっくり過ぎて話がまったく耳に入ってきませんでした(笑)。

 

二宮: さて、『木挽BLUE』のロックをじっくりと味わいながらまっちゃんのモノマネに耳を傾けるというのもいい宴です。
松村 いやー、すっきりしたこの焼酎なら、僕のようにあまり飲めない人間でもついつい飲んでしまいますね。

 

二宮: お酒はそんなに?
松村 いえいえ。それこそ学生時代、テレビ局でアルバイトをしていたころ、そして若手時代は飲みました。飲んで、騒いで、いろんなネタを披露して、そりゃあ楽しかったですよ。

 

二宮: さて、まっちゃんはプロ野球の他、高校野球にも造詣が深い。
松村 地元・山口の高校の動向はいつも気になっていますね。宇部商業の監督をされていた玉国光男さんのモノマネなんていかがですか。

 

二宮: それはぜひ見たい! 玉国監督の宇部商といえば85年の夏の甲子園、PL学園と決勝で戦って準優勝でしたね。
松村 では一回戦、銚子商業に勝ったところから。『玉国さん、ナイスゲームでした』……。

 

二宮: っと、そのネタはぜひとも後編で。
松村 わかりました。では、『木挽BLUE』のロックでノドをクールダウンしてから。

 

二宮: ぜひ、お願いします。

(つづく)

(文・写真・まとめ/SC編集部・西崎)

 

<松村邦洋(まつむら・くにひろ)プロフィール>

1967年8月11日、山口県生まれ。太田プロダクション所属のお笑いタレント。アルバイト先のテレビ局で片岡鶴太郎に認められ芸能界入りする。ビートたけしをはじめとする従来にないモノマネ芸で一躍有名に。レパートリーには掛布雅之、川藤幸三ら大ファンである阪神の選手も多数。ニッポン放送「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」、NHKラジオ第1「DJ日本史」、KBCラジオ「PAO~N」などにレギュラー出演中。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回、松村邦洋さんと楽しんだお酒は芋焼酎「木挽BLUE(ブルー)」。宮崎の海 日向灘から採取した、雲海酒造独自の酵母【日向灘黒潮酵母】を使用し、宮崎・綾の日本有数の照葉樹林が生み出す清らかな水と南九州産の厳選された芋(黄金千貫)を原料に、綾蔵の熟練の蔵人達が丹精込めて造り上げました。芋焼酎なのにすっきりとしていて、ロックでも飲みやすい、爽やかな口当たりの本格芋焼酎です。

 

提供/雲海酒造株式会社

 

<対談協力>

砂々良(ささら)

新宿区西新宿6-16-12 第一丸善ビル地下1階

TEL: 03-3342-5795

営業時間: 17時30分~24時(LO23時30分)

定休日: 日曜・祝日

 

 

 

☆プレゼント☆

 松村邦洋さんの直筆サイン色紙を「木挽BLUE」(900ml、アルコール度数25度)とともに読者3名様にプレゼント致します。ご希望の方はこちらのメールフォームより、件名と本文の最初に「松村邦洋さんのサイン希望」と明記の上、下記クイズの答え、郵便番号、住所、氏名、年齢、連絡先(電話番号)を明記し、このコーナーの感想や取り上げて欲しいゲストをお書き添えの上、お送りください。応募者多数の場合は抽選とし、当選発表は発送をもってかえさせていただきます。締切は19年5月9日(木)。たくさんのご応募お待ちしております。なお、ご応募は20歳以上の方に限らせていただきます。

 

◎クイズ◎

 今回、松村邦洋さんと楽しんだお酒の名前は?

 

 お酒は20歳になってから。

 お酒は楽しく適量を。

 飲酒運転は絶対にやめましょう。

 妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。


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