二宮清純:  この人と飲みたい、ゲストは引き続きタレントの松村邦洋さんです。
松村邦洋 よろしくお願いします。

 

二宮: 雲海酒造の『木挽BLUE』を飲みながらの野球談義で盛り上がっていますが、まっちゃんのモノマネもあり、まるで名人の独演会を見せてもらっているようです。
松村 いやー、こんなかぶりつきで見られると緊張しますね。

 

二宮: 『木挽BLUE』のロックを飲みながら、リラックスした雰囲気でいきましょう。
松村 それにしても、このお酒は本当においしいですね。香りよし、そしてすっきりとした喉ごしもよし。僕はお酒と同じくらい食べる方も好きなので、肉や魚、どんな食事に合いますね。

 

二宮: クイクイッと飲めちゃいますよね。
松村 はい。少し酔いが回ってきたんでしょうか、なんだかテレビではやらないようなマニアックなモノマネまで披露してしまいそうです。

 

 

 

 


 名物解説者のモノマネ

 

二宮: まっちゃんはプロ野球とともに高校野球にも造詣が深い。その知識は専門家も舌を巻くほどです。
松村 いやいや。子供の頃から好きで見ていて、ただそれを覚えているというだけですよ。

 

二宮: 高校時代は野球部ですか?
松村 田布施農業、今は工業と合併して田布施農工になりましたが、そこの軟式野球部にいました。

 

二宮: ポジションは?
松村 最初はキャッチャーでした。

 

二宮: 扇の要じゃないですか。野村克也さんのモノマネの源流もそこに?
松村 いやいや。1試合で27盗塁されたこともあり、キャッチャーは早々に失格でした。

 

二宮: 27盗塁ッ!? それは、またすごい。27個ってどうなんでしょう、野村さん?
松村 『わしの時代はクイックモーションなんてものはなくて盗塁はぜーんぶキャッチャーのせいにされたもんです。責任の半分はピッチャーにあるのに“野村は肩が弱い”とか、たまったもんじゃない。でも、27盗塁、それは松村、お前が悪いんだろう』

二宮: アハハ。名人芸、ごちそうさまでした。

 

二宮: さて、山口県勢では宇部商の活躍が記憶に残っています。85年、夏の甲子園では決勝まで進み、KK(桑田真澄・清原和博)擁するPL学園(大阪)と戦いました。
松村 あの前年、宇部商は山口県大会決勝で柳井高に敗れました。それも決勝戦、5対2で勝ってたのに逆転サヨナラ負け。宇部商の監督・玉国光男さんと後年、お会いしたときに、そのときのことがずっと夢に出てきて眠れなかったとおっしゃってました。

 

二宮: その悔しさを翌年にぶつけたわけですね。
松村 宇部商が負けた県大会決勝、僕はテレビで見ていましたが、9回裏、3点差でリードしてるからベンチの選手は全員、胴上げに備えてベンチの前に足を投げ出していました。でも内野守備の乱れがあったりして、1点返され、2点返され……。そのうちにベンチの選手も足を引っ込めたんです。最後は3番・梶尾延行さんのサヨナラヒットで柳井が勝ちました。柳井は隣町ですから僕は嬉しかったんですが、まあ玉国監督としては相当に悔しかったでしょうね。

 

二宮: 30年以上前のことですが、よくそこまで鮮明に覚えていますね。まっちゃんと野球談義をするといつもその記憶力に驚かされます。
松村 いやいや、そんな大したことじゃありません。で、KKのPLと戦った宇部商のエース・田上昌徳さんは社会人野球の新日鉄光に入ったんですよね。僕の中学時代の同級生、河本育之(元ロッテ)もそこに進みましたが、「オレ、野球部に入ったはずなのに駅伝部かっていうくらい走らされた。間違えてカネボウに入ったのかな」とボヤいてましたよ。

 

 ドラフト2位の同級生

 

二宮: 92年にロッテにドラフト2位で入団した河本さんが同級生なんですか?
松村 そうなんです。よく「ロクムシ」というボールをぶつける遊びをやっていましたが、河本はそこでもすごい球を投げていましたね。

 

二宮: 河本さんは高校時代、軟式野球で全国大会に出場しましたが、子供のときからただ者じゃなかった、と。
松村 はい。ずっと変わらず付き合っていて、今も田舎で野球教室をやるときには協力してくれています。

 

二宮: 宇部商の話に戻ると、やはりPL学園との決勝戦が思い出されます。
松村 そうですね。あとは88年のセンバツ準々決勝、宇和島東(愛媛)との一戦も印象的でした。

 

二宮: 上甲正典監督の下、センバツ初出場の宇和島東が優勝したときですね。
松村 さすが愛媛出身の二宮さん、よく覚えていらっしゃる。で、あの試合、8回を終えて4対2で宇部商がリードしていたんですよ。「これはもらったな」と僕も含めて、山口県民の全員が思ったでしょう。ところが、宇和島東のベンチが映ったら、上甲監督が笑っていた。あの笑顔を見たとき山口県民は「あれ、もしかすると」と震え上がり、不安になったもんです。

 

二宮: 結果は9回裏、宇和島東が3点をあげてサヨナラ勝ちしました。
松村 のちに上甲監督と会う機会があって、そのときに笑顔のことを話したら、池西増夫さんに言われたそうです。『上甲君、県大会までは怒っていい。でも甲子園では笑いなさい。じゃないと選手も気持ちのやり場がないよ。できれば練習試合だけで怒って、あとは笑っていなさい』と。

 

二宮: 補足すると、池西さんは西条高(愛媛)で藤田元司さん(元巨人)とバッテリーを組まれた方で、現役引退後はNHKの高校野球の解説をしてらっしゃいました。
松村 『この津田恒実クンはやはりいいピッチングをします。津田クン、これは楽しみなピッチャーです』

 

二宮: アハハ。いきなりですが、それは池西さんのモノマネですか?
松村 はい。こんなのテレビではやったことがありませんが、お酒の力もあって、つい……。上甲監督にも直々に披露したことがありますが、笑ってくださいました。

二宮: 私も少年時代に見たNHKの映像が甦ってきます。でもテレビでやっても今の人はたぶん誰もわからないと思います(笑)。

 

二宮: まっちゃんは野球の他、歴史マニアでもある。
松村 はい。子供の頃から高校野球、プロ野球、そしてNHKの大河ドラマが一番の娯楽でした。そういう視点でいくと、94年のセンバツ、一回戦で宇和島東が東北(宮城)を下したのは、伊達の分家が本家を倒したという意味で面白かったですね。

 

二宮: それもまた実にマニアックな視点ですね。宇和島藩の初代藩主・伊達秀宗は伊達政宗の側室の子ですからね。ただ宇和島出身の岩村明憲さん(BC福島監督)に言わせると「こっちが本家で、あっちが分家」だと。
松村 おお、岩村さんに是非、そのあたりの話をうかがってみたいですね。野球的な視点では東北のエース、嶋重宣さん(元広島)が気負い過ぎたのか、本来の投球ではなかったのが残念でしたねえ。

 

 川藤幸三との縁

 

二宮: それにしても、まっちゃん、一時期に比べると随分と痩せましたね。
松村 30キロくらい痩せましたよ。2009年の東京マラソンに出場して途中、心肺停止になったじゃないですか。やっぱり、ああいうことがあると、体のことを考えますね。

 

二宮: 心配になって電話すると「体重が重くて三途の川が渡れませんでした」と僕に言いましたよ(笑)。
松村 そうでしたね。今はなるべく食べ過ぎないように気をつけてウォーキングもして、そしてRIZAPで筋トレもして体重をコントロールしています。でも、やっぱりキャンプ地に行くと美味しい物が多いから食べちゃうんですよね。

 

二宮: 阪神ファンのまっちゃんなら、やはり高知・安芸キャンプですか?
松村 そうですね。高知は魚も酒も全て美味しいんですよ。しかも安芸に行くと、阪神OBの方と食事をするのが楽しみです。

 

二宮: どんなOBの方と?
松村 川藤幸三さんとはよくご一緒させていただきます。川藤さんが若狭高(福井)で甲子園の土を踏み、開会式で行進していたときに僕が生まれたんですよ。67年8月11日、ちょっと無理やりではありますが、不思議なご縁を感じています。

 

二宮: 川藤さんはプロ19年で通算211安打ですが、実は入団当初は俊足巧打で鳴らしたんですよね。
松村 晩年は「虎の春団治」として愛され、とにかく成績云々よりファンの記憶に残っている選手ですよね。川藤さんもネタにしていますが、『イチローはすごいな。わしが19年かけて打ったヒットを1年で打ちよった。正味なら7月28日には抜かれましたわい』ですって。

 

二宮: さて、そろそろお時間ですが、最後にもう一杯、『木挽BLUE』をどうぞ。
松村 いただきます。喉ごしがすっきりしているので、食後にもぴったりですね。今日は受けてくれるキャッチャー、トークの聞き手がいいので持ちネタのほとんどを披露することができました。でもひとつだけ心配なことが……。

 

二宮: なんでしょうか?
松村 僕のモノマネ、文字にしたらどうなんだ、ってことですよ。

 

二宮: そこはご心配なく。まっちゃんのモノマネは文字にしても伝わること請け合いです。
松村 それを聞いて安心しました。

 

二宮: まだまだ野球シーズンはこれからです。また機会があれば、今度は球場で。
松村 ぜひとも。夏の甲子園が楽しみですねー。

 

二宮: あれ、プロ野球は?
松村 もちろん応援しますが、広島だけ阪神を置いて先に行かないでくださいよー。
二宮: Aクラスでお待ちしてます(笑)。

 

(文・写真・まとめ/SC編集部・西崎)

 

<松村邦洋(まつむら・くにひろ)プロフィール>
1967年8月11日、山口県生まれ。太田プロダクション所属のお笑いタレント。アルバイト先のテレビ局で片岡鶴太郎に認められ芸能界入りする。ビートたけしをはじめとする従来にないモノマネ芸で一躍有名に。レパートリーには掛布雅之、川藤幸三ら大ファンである阪神の選手も多数。ニッポン放送「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」、NHKラジオ第1「DJ日本史」、KBCラジオ「PAO~N」などにレギュラー出演中。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回、松村邦洋さんと楽しんだお酒は芋焼酎「木挽BLUE(ブルー)」。宮崎の海 日向灘から採取した、雲海酒造独自の酵母【日向灘黒潮酵母】を使用し、宮崎・綾の日本有数の照葉樹林が生み出す清らかな水と南九州産の厳選された芋(黄金千貫)を原料に、綾蔵の熟練の蔵人達が丹精込めて造り上げました。芋焼酎なのにすっきりとしていて、ロックでも飲みやすい、爽やかな口当たりの本格芋焼酎です。

 

提供/雲海酒造株式会社

 

 <対談協力>
砂々良(ささら)
新宿区西新宿6-16-12 第一丸善ビル地下1階
TEL: 03-3342-5795
営業時間: 17時30分~24時(LO23時30分)
定休日: 日曜・祝日

 

 

☆プレゼント☆  松村邦洋さんの直筆サイン色紙を「木挽BLUE」(900ml、アルコール度数25度)とともに読者3名様にプレゼント致します。ご希望の方はこちらのメールフォームより、件名と本文の最初に「松村邦洋さんのサイン希望」と明記の上、下記クイズの答え、郵便番号、住所、氏名、年齢、連絡先(電話番号)を明記し、このコーナーの感想や取り上げて欲しいゲストをお書き添えの上、お送りください。応募者多数の場合は抽選とし、当選発表は発送をもってかえさせていただきます。締切は19年5月9日(木)。たくさんのご応募お待ちしております。なお、ご応募は20歳以上の方に限らせていただきます。

 

◎クイズ◎

 今回、松村邦洋さんと楽しんだお酒の名前は?

 

 

 お酒は20歳になってから。

 お酒は楽しく適量を。

 飲酒運転は絶対にやめましょう。

 妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。


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