8月12日(火)

◇1回戦
 エース岩下、決勝適時打&完投
静岡        4 = 210000100
星稜(石川)   5 = 10100021×
 8点差を大逆転し、石川県大会決勝を制した星稜が、甲子園初戦でも逆転勝ちを収めた。先発のマウンドを任された星稜のエース・岩下大輝(3年)は、苦しいピッチングでスタート。2つのワイルドピッチなどで2点を失い、静岡に先制を許した。その裏に味方が1点を返したが、2回表にも1点を奪われ、ビハインドは再び2点となった。一方、静岡の先発投手・辻本宙夢(3年)は3回裏に味方のエラーで1点を失うが、中盤はスコアボードにゼロを並べた。1点差のまま終盤に入ると、7回表に試合が動く。静岡は、四球で出塁した2番・大石智貴(2年)がこの試合2個目の盗塁で、得点圏に進む。続く岸山智大(3年)が三遊間を破るヒットで大石が還り、貴重な追加点を奪った。2点を追いかける星稜もその裏に反撃。静岡守備陣のエラーなどで1点を返すと、2番・中村勇人(3年)にもタイムリーが生まれ、ついに同点に追いついた。勢いに乗る星稜は8回裏、1死二塁のチャンスを作り、打席には7番の岩下。岩下は右中間を破るツーベースを放ち、自らのバットで決勝点をあげた。岩下は、投げても9回を三者連続三振に切ってとり、完投勝利。エースの投打に渡る活躍で星稜が初戦を突破した。「終盤、ビハインドでも自分たちのスタイルを貫いている」と林和成監督も称える星稜ナイン。快進撃はまだまだ続きそうだ。

 6年ぶりの甲子園、打線爆発20安打
日南学園(宮崎)   3 = 000030000
東邦(愛知)     11 = 11303201×
【本塁打】(東)溝口

 雨により、約30分開始が遅れた第1試合。東邦打線は湿ることなく爆発し、宮崎県大会で1失点しか許さなかった日南学園の二枚看板を打ち崩した。東邦の先発は1年生右腕の藤嶋健人。立ち上がりこそ硬さが見られ、出塁を許したが後続を切って取り、ゼロで抑えた。気迫のこもったピッチングを見せる1年生を上級生たちが援護する。1回裏のチャンスに3番・児玉大樹(3年)のタイムリーで先制すると、2回には松原正成(3年)がスクイズで追加点をあげた。3回には3本の適時打を放ち、序盤で5点のリードを奪った。藤嶋は5回に3点を返されたが、その裏に打線が再び援護。松原、児玉らのヒットで3点を加えた。6回裏にには溝口慶周(2年)の2ランホームランが生まれ、試合を決めた。8回裏、さらに1点を加えた。藤嶋は8回を3失点でマウンドを3年生右腕・大井友登に譲った。大井が最後をきっちり締め、東邦が6年ぶりの甲子園を大勝でスタートした。

 1番・星、猛打賞&好守備でチームを牽引
大分           2 = 100010000
日本文理(新潟)   5 = 00020030×
【本塁打】(日)新井、星

 5年前の準優勝校・日本文理が初出場の大分を下した。日本文理・飯塚悟史(3年)、大分・佐野皓大(3年)と、今秋のドラフト候補でもある両エースの投手戦が予想された。しかし、早々に大分が先制点を挙げた。飯塚を援護したい日本文理。4回表、好守で飯塚を助ける。2死二塁のピンチの場面で、飯塚が大分の7番・今川涼太(3年)にライト前ヒットを打たれる。二塁ランナーは三塁を蹴って、本塁へ突っ込んできた。ここでライトの星兼太(2年)が矢のようなバックホームをキャッチャーミットに突き刺し、追加点を許さなかった。日本文理はその裏、7番・新井充(3年)がレフトスタンドに飛び込む2ランを放ち、逆転に成功する。5回表に一度は追いつかれたが、7回裏に下位打線で勝利を呼び込む。先頭の8番・鎌倉航(3年)がツーベースで出塁すると、飯塚がタイムリーで還し、再び勝ち越す。さらに1番の星が、この試合3本目のヒットとなる2ランをライトスタンドに叩き込み、3点差と突き放した。3点のリードをもらった飯塚は、大分に反撃を許さず試合を締めた。エースとトップバッターの攻守で魅せた日本文理が準優勝の2009年以来の初戦突破を果たした。

 15安打の猛攻で最大8点差を逆転
藤代(茨城)      10 = 800020000
大垣日大(岐阜)   12 = 40001133×
【本塁打】(藤)古谷、浜渡
      (大)野崎

 初回、両校の打線が先発陣の立ち上がりを攻めた。まずは藤代が1死満塁から5番・小林慧太(3年)の先制打を皮切りに、1番・古谷勇斗(3年)のランニングホームランなど、打者11人の猛攻で一挙8点を奪う。しかしその裏、大垣日大も主将の7番・大久保陸志(3年)の2点タイムリーなどで4点を挙げ、その差を4点に縮めた。中盤にはそれぞれ2点ずつを追加し、藤代リードの10―6で迎えた7回裏、大垣日大は2死二、三塁から大久保がまたも2点タイムリーとなる三塁打を放つ。さらに8番・古谷大至(3年)も続き、この回3得点。大垣日大が1点差に詰め寄った。投げては5回途中からリリーフした滝野要(3年)が6、7、8回を三者凡退に切ってとる好投を披露した。勢いに乗る大垣日大は8回裏、同点に追いつく。さらに2死二塁から5番・野崎文志(3年)に一発が出て、2点を勝ち越した。この2点を滝野が守り切り、大垣日大が最大8点差をひっくり返しての逆転勝ちを収めた。