8月13日(水)

◇1回戦
 3投手の継投で逃げ切り、夏初出場初勝利
佐賀北      2 = 000002000
利府(宮城)   4 = 00002200×
 試合の前半は手に汗握る投手戦となり、ゼロ行進が続いた。均衡が破れたのは5回裏。2死二塁から攻撃の要である1番・万城目晃太(2年)の打球は強い浜風に乗り、センター後方へ。中堅手のグラブに触れたものの、キャッチすることができない。タイムリー三塁打となり、利府が待望の先取点を挙げた。さらに2番・上野幹太(3年)にもタイムリーが出て、2点をリードする。しかし6回表、佐賀北が代打・松尾直樹(3年)のタイムリーなどで2点を挙げ、すぐさま試合を振り出しに戻した。だが、その裏、佐賀北は内野のエラーと四球で2死満塁としてしまう。ここで打席には先制打を放った万城目。万城目は高目の直球をセンターへはじき返した。これで2走者が返り、再び利府が2点をリードした。佐賀北は最終回、2死ながら満塁と粘りを見せるも、最後は2番・島剣太(3年)が三ゴロに倒れて、ゲームセット。夏初出場の利府が、3投手の継投で逃げ切り、初勝利を挙げた。2回戦では第8日4試合目で機動力のある健大高崎(群馬)と対戦する。


 機動力野球で逆転
健大高崎(群馬)   5 = 002120000
岩国(山口)      3 = 120000000

 序盤に試合の主導権を握ったのは、岩国だった。初回、1番・川本拓歩(2年)がいきなり三塁打を放つ。続く2番・男谷廉太朗(2年)のタイムリーで岩国が1点を先制した。さらに2回表には犠打で着実にランナーを進める堅実な野球で2点を追加した。しかし、群馬大会6試合で35盗塁を決めた健大高崎が中盤、足を絡めた攻撃で反撃する。3回表、先頭の1番・平山敦規(3年)が死球で出塁すると、すかさず二盗を決める。2番・星野雄亮(3年)のヒットで三進すると、3番・脇本直人(3年)の犠飛でホームに返った。さらに星野も二盗を決めると、相手の暴投で三塁へ。4番・長島僚平(3年)の内野ゴロの間に星野が返り、1点差とした。4回表に同点に追いついた健大高崎は5回表、2死無走者から脇本がヒットで出塁すると、二盗する。ここで長島がレフト前へ。脇本が一気にホームに返り、逆転に成功した。さらにこの回1点を追加した健大高崎。投げては3回からリリーフしたエース高橋和輝(3年)が2安打9奪三振と完璧なピッチングで岩国打線を封じ、2点差を守り切った。


 好守の市和歌山、最後に痛恨のミスでサヨナラ
市和歌山         1 = 000100000000
鹿屋中央(鹿児島)   2 = 000000010001× (延長12回)

 初回、1死満塁と最大のピンチを併殺で守り切った市和歌山は4回表、1死から4番・小窪教照(3年)、5番・中山将太(2年)の2者連続二塁打で1点を先制した。一方、毎回のようにランナーを出しながらもあと1本が出ず、7回まで無得点に終わっていた鹿屋中央だったが、8回裏、2死二塁から3番・徳重仁(3年)のタイムリーで同点に追いついた。そして9回裏、2死からこの試合初めて連打が出て一、二塁とすると、山下亮太(3年)が三遊間を抜けるレフト前へ。二塁ランナーが一気にホームを狙うも、レフトからの好返球に阻まれ、サヨナラとはならなかった。互いに追加点を奪えないまま迎えた延長12回裏、それまで4併殺と好守を演じてきた市和歌山に痛恨のミスが出る。1死一、三塁の場面、9番・米沢佑弥(3年)の打球はセカンド正面へ。これを二塁手がホームではなく、一塁へ送球。この間に三塁ランナーが返り、サヨナラ。初出場初勝利を挙げた鹿屋中央は、2回戦で星稜(石川)と対戦する。


 四球押し出しで延長サヨナラ勝ち
広陵(広島)   4 = 02000020000
三重       5 = 00020000201× (延長11回)
【本塁打】(広)吉川

 3季連続出場で5年ぶりの勝利を狙う三重と、4年ぶり出場となった広陵との試合は、5回を終えて2−2。放ったヒットも6本ずつと、がっぷり四つの好ゲームとなる。7回表、広陵が7番・吉川雄大(3年)のホームランなどで2点を追加すると、三重は9回裏に2死満塁からこの試合無安打の2番・佐田泰輝(3年)が2点タイムリーを放ち、三重は土壇場で再び試合を振り出しに戻した。どちらも一歩も譲らない熱戦に終止符が打たれたのは、延長11回だった。1死二、三塁のピンチを凌いだ三重はその裏、先頭の7番・世古錬(3年)、が二塁打を放つと、次打者の犠打を広陵のエース吉川が三塁へ悪送球。フィルダースチョイスとなり、無死一、三塁となった。2死後、広陵は3安打と当たっている1番・長野勇斗(3年)を敬遠し、満塁策をとる。まずは9回に同点打を放った佐田を遊ゴロに打ち取る。しかし、なおも2死満塁。ここで吉川の制球が乱れた。3球続けてボールが外れ、1球はストライクを入れたものの、5球目の直球が外れ、四球押し出し。思いも寄らない幕切れで、三重がサヨナラ勝ちを収めた。