8月20日(水)

◇3回戦
 20安打16得点の猛攻で大勝
敦賀気比(福井)   16 = 018122020
盛岡大付(岩手)    1 = 010000000
【本塁打】(敦)浅井
      (盛)遠藤
 1−1で迎えた3回表、敦賀気比打線が今大会屈指の好投手・松本裕樹(3年)をとらえる。まずは先頭の3番・浅井洸耶(3年)が初球、甘く入った直球をレフトスタンドへ運び、勝ち越す。さらに1死後、ヒットと打撃妨害で一、二塁とすると、7番・平沼翔太(2年)のタイムリーで3点目。次打者もヒットで続き、1死満塁の場面では死球押し出しで4点目。その後も犠飛、タイムリーなどが続き、この回打者12人の猛攻で一挙8点を叩き出した。敦賀気比は3回途中からリリーフした盛岡大付の2番手・桜椛大輝(3年)に対しても猛打をふるい、4回以降も得点を重ねていき、6回まで14得点と大量リードを奪う。一方、盛岡大付は3回以降も毎回のようにランナーを出すも、得点を奪うことができない。好打者としても注目の松本のバットからは一度も快音が聞かれなかった。8回表にも2点を追加した敦賀気比は、20安打16得点。投げては3投手の継投で、盛岡大付打線を1失点に封じた。

 2年生エース中川、延長10回を1失点完投
八戸学院光星(青森)   5 = 0000000104
星稜(石川)         1 = 0000100000(延長10回)
【本塁打】(八)深江

 3回戦の1試合目は、がっぷり四つの投手戦となった。両エースが無難な立ち上がりを見せ、序盤はゼロ行進が続いた。均衡が破れたのは5回裏、2死から死球、相手エラーで一、二塁とすると、1番・谷川刀麻(2年)のタイムリーで星稜が待望の先取点を挙げた。一方、八戸学院光星は7回まで星稜のエース岩下大輝(3年)にわずか2安打に抑えられ、得点の糸口すら見いだせなかった。8回表も2者連続で空振り三振を奪われ、簡単に2死を取られる。しかし、4番・深江大晟(3年)に同点弾が飛び出し、試合を振り出しに戻した。試合は1−1のまま延長戦へと突入した。10回表、ここまで好投してきた岩下の制球が乱れ、先頭打者をストレートの四球で出してしまう。次打者に犠打を決められて1死二塁とすると、8回に同点弾を放っている深江を敬遠気味の四球で出す。5番・新井勝徳(3年)にヒットを打たれ、1死満塁のピンチとなった。岩下は次打者を左飛に打ち取る。しかし、7番・新井勝貴(3年)への3球目、スライダーがワンバウンドとなり、捕手がボールを見失う。この間に三塁ランナーが返り、八戸学院光星に貴重な勝ち越し点が入った。さらに新井貴の投手への強襲打で3点目を挙げると、8番・中川優(2年)が2点タイムリー。八戸学院光星はこの回一挙4点を挙げる。その裏、中川がきっちりと3人で抑え、八戸学院光星がベスト8一番乗りを決めた。


 4番・安里のサヨナラ打で接戦制す
二松学舎大付(東東京)   5 = 012200000
沖縄尚学           6 = 400001001×

 初回、 両先発に明暗が分かれた。1回表、沖縄尚学エースの山城大智(3年)は初戦ではなかった四球をいきなり先頭打者に出してしまう。不安な立ち上がりとなったものの、後続を打ち取り、無失点で切り抜けた。その裏、甲子園初登板となった岸田康太(2年)も先頭打者を四球で出してしまう。次打者の犠打を岸田が一塁へ悪送球。無死一、三塁とピンチを招く。逆に先制のチャンスをつかんだ沖縄尚学は3番・西平大樹(3年)のタイムリーで先制する。さらに2本のタイムリーなどで3点を追加し、この回一挙4点を挙げた。一方、二松学舎は2回表に1点を返すと、3回表には2死二、三塁から6番・秦匠太朗(3年)の2点タイムリーで1点差に迫る。そして4回表、先頭の9番・三口英斗(1年)が三塁打を放つと、続く1番・末松佑弥(3年)の内野安打の間に同点のホームを踏んだ。さらに1死二、三塁から4番・小峯瑛輔(3年)の5球目、スクイズに出るも、これをバッテリーが外し、三塁ランナーを三本間に挟む。しかし、三塁ランナーがうまくかいくぐり、生還。二松学舎大付が再びリードを奪った。5回裏、二松学舎大付は2死一、三塁のピンチに3番手・大江竜聖(1年)をマウンドに上げた。大江は遊ゴロに仕留め、凌ぎ切った。しかし6回裏、大江は2死三塁の場面で痛恨の暴投。沖縄尚学に同点となる5点目が入った。その後、両者ともに追加点を奪うことができない。このまま延長にもつれるかと思われた9回裏、沖縄尚学は2番・中村将己(2年)がヒットで出塁すると、次打者が送りバントを決め、1死二塁と一打サヨナラのチャンスを迎えた。打席にはこの試合無安打の4番・安里健(3年)。安里は真ん中に甘く入った直球を振り抜くと、打球は左中間へ。打球の行方を見ながら、安里は小さくガッツポーズ。左中間を破るタイムリーとなり、二塁ランナーが生還。沖縄尚学がサヨナラで接戦を制した。


 接戦制し、46年ぶりの8強
城北(熊本)   5 = 000040010
三重       7 = 05100001×

 2回裏、三重打線が集中打を見せて試合の主導権を握る。2つの四球で1死一、二塁とした三重は、8番・中林健吾(3年)、9番・今井重太朗(3年)の連続タイムリーで3点を挙げる。さらに2死後には2番・佐田泰輝(3年)、3番・宇都宮東真(3年)にも連続タイムリーが出て、三重はこの回、打者一巡の猛攻で一挙5得点を挙げた。3回表にも1点を追加し、城北を引き離した。一方、5回表、城北が猛追する。四死球とヒットで無死満塁とすると、1番・安達勇輝(3年)のタイムリーで1点を返す。1死後、3番・山隅拓巳(3年)の打球を一塁手が弾き、その間に2走者が返る。さらにこの回1点を追加した城北は、8回表、2死二塁から6番・菓凛太郎(3年)のタイムリーで1点差とした。しかしその裏、城北は先頭の9番・今井を二ゴロに打ち取るも、二塁手がファーストへ悪送球し、無死二塁としてしまう。今井は次打者の内野ゴロの間に三進すると、佐田の犠飛で三重が貴重な追加点を挙げた。迎えた9回表、エース今井はきっちりと3人で終わらせ、城北の追い上げを振り切るかたちで46年ぶりとなるベスト8進出を決めた。準々決勝では第12日第1試合で沖縄尚学と対戦する。