サッカーのコパ・アメリカ(南米選手権)に参戦している日本代表(FIFAランキング28位)は18日(日本時間)、チリ代表(同16位)とブラジル・サンパウロで対戦し、0対4で敗れた。日本は東京五輪世代の若手中心で臨み、決定機を作ったものの得点には至らなかった。大会2連覇中のチリの猛攻を止めることができず初戦を落とした。グループCの日本は次節、21日(日本時間)にウルグアイ代表(同8位)と対戦する。

 

 再三の決定機いかせず(サンパウロ)

日本代表 0-4 チリ代表

【得点】

[チ] エリック・プルガル(41分)、エドゥアルド・バルガス(54分、83分)、アレクシス・サンチェス(82分)

 

 キャプテンマークを巻いたMF柴崎岳(ヘタフェ)の「大差の敗退になった。小さな部分の差が大きな(スコア上の)差となった」という言葉通りの試合だった。日本のシュート数は12本(枠内シュート3)、チリのシュート数は14本(枠内シュート7)とさほど変わらないがスコアは0対4だった。

 

 試合開始序盤は日本がペースを握った。MF中島翔哉(アルドゥハイル)、MF久保建英(レアル・マドリード)、MF前田大然(松本山雅FC)らが積極的にドリブルでボールを持ち運んだ。

 

 6分には右サイドの角度のない位置でのFKを久保が直接狙った。12分には右サイドに流れた中島がカットインから左足でシュートを放つものの得点には至らなかった。

 

 35分以降は大会3連覇を目指すチリが牙をむいた。2分間でFWアレクシス・サンチェスが3本のシュートを放つ。流れが徐々に南米王者に傾いた。すると41分、右サイドのCKからMFエリック・プルガルにヘディングを見舞われ、先制を許した。

 

 44分には法政大のFW上田綺世にチャンスが訪れた。柴崎が相手のパスミスに反応し、ダイレクトでゴール前にスルーパスを供給。これに走り込んだ上田が右足でシュートを打つが、相手守護神に阻まれた。

 

 後半9分、日本はチリに追加点を奪われた。右サイドのDFマウリシオ・イスラからリターンパスを受けたFWエドゥアルド・バルガスがペナルティーエリア手前から右足を振りぬいた。シュートブロックに入ったDF冨安健洋(シントトロイデン)に当たりゴールネットを揺らされた。

 

 日本はチリの激しい当たりや深いスライディングに手を焼いた。それでもオフザボールの動きで上田が何とかゴール前でフリーになろうと試みる。12分には相手DFの裏を取ったもののシュートはゴール左にそれた。その3分後には久保が相手DF3人をかわしてペナルティーエリア内左からニアを狙うが惜しくもサイドネットだった。

 

 決定機をものにできない日本はチリに試合巧者ぶりを見せつけられる。37分、38分と立て続けに失点を重ね、0対4の大敗を喫した。

 

 試合後、司令塔の柴崎はこう試合を振り返った。

「インテンシティー(プレー強度)の部分は元々高めないといけないところ。競り合い、セカンドボールへの反応はチリが数段上だった」

 

 グループCの日本は中2日でウルグアイ代表と対戦する。短い時間の中でチリ戦の反省を生かし、勝ち点獲得に期待したい。

 

(文/大木雄貴)