アギーレジャパン、初陣飾れず ウルグアイに完敗 〜キリンチャレンジカップ2014〜

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 5日、キリンチャレンジカップ2014が札幌ドームで行われ、日本代表がウルグアイ代表に0対2で敗れた。ハビエル・アギーレ体制の初陣となったこの試合、日本はボールをキープする相手を前になかなかリズムを掴めない。すると前半34分、FWエディソン・カバーニに先制点を奪われた。後半は押し気味に試合を進めたものの、決定機を作るには至らない。逆に28分、FWアベル・エルナンデスに追加点を決められた。日本は最後までゴールを狙ったが、終盤にMF武藤嘉紀が放ったシュートはゴール左ポストを直撃。ロシアW杯へ向けた再起戦は完敗に終わった。日本は次戦、9日にベネズエラ代表(日産ス)と対戦する。

  ミスで失点に絡んだ坂井、苦い代表デビュー(札幌ド)
日本代表 0− 2 ウルグアイ代表
【得点】
[ウ] エディソン・カバーニ(34分)、アベル・エルナンデス(73分)
「向こうの経験、そしてこちらのミスが違いを生んだ」
 アギーレ監督はこのように初陣を振り返った。初選出のFW皆川佑介、DF坂井達弥を先発させたものの、ともに結果を残せず、坂井は自身のミスで失点に絡んだ。ただ指揮官、そして選手たちにとって、ウルグアイ戦の結果は決してネガティブなことばかりではなかった。

 この試合、日本は4−3−3システムを採用し、中盤のアンカーにDF森重真人を起用した。守備を大事にするアギーレ監督の意向が、かたちとなって表れていた。
 前半、最初にチャンスをつくったのは日本だ。17分、FW岡崎慎司が左サイドを突破し、上がったクロスを皆川がフリーで合わせた。だが、ヘディングシュートはゴール上。皆川は頭を抱えて悔しがった。

 その後、ウルグアイにボールポゼッションを高められ、試合は膠着状態に陥った。日本はボールを奪った後の連動性が少なく、27分のMF田中順也のミドルシュートなど、淡泊な攻撃が続いた。

 すると前半34分、自分たちのミスからウルグアイに先制点を奪われた。坂井が自陣で右サイドからのパスをトラップミスし、これをカバーニに拾われた。MFニコラス・ロデイロ、FWディエゴ・ロランとつながれ、PA内で再び受けたカバーニに右足で打たれた。シュートはGK川島永嗣の体に当たってゴール左へ。失点の起因となった坂井は「相手のスキを突くときにスピードが上がるのが海外のプレーヤー。シンプルにやっておけばよかった」とこのシーンを悔いた。

 日本は嫌なかたちでビハインドを負い、試合を折り返した。後半はボールを支配したものの、なかなかチャンスをつくりだせない。ここでアギーレ監督が動く。後半13分、皆川に代えて同じく初代表の武藤をピッチへ送り出した。鋭い仕掛けと裏へ飛び出すスピードが魅力の22歳に、指揮官は攻撃の活性化を託した。だが、武藤が「まだ2日ぐらいしか全員で練習していないし、自分が裏に抜けるとかのコミュニケーションも取れていなかった」と語るように彼が動き出したタイミングでパスが出なかったり、「だいぶ緊張した」という武藤自身の動きにも固さが見られた。

 思うように試合を進められない日本は後半20分を過ぎたところで、システムを4−4−2に変更した。岡崎と本田が2トップ、武藤が右MF、田中が左MFの位置に入り、ダブルボランチは森重とMF細貝萌がコンビを組んだ。
「相手にリードされているという状況もあり、本田を守備に回すのを少なくするための変更だった。(本田を)より前で、よりフリーでプレーさせたかった」
 アギーレ監督は急な戦術変更の意図をこう説明した。「引き出しの多さ」を期待されて就任した指揮官らしい積極的な采配だった。しかし25分、日本は痛恨の2失点目を喫した。右サイドからクロスをロデイロに狙われたシュートを川島が弾いたものの、こぼれ球をアベル・エルナンデスに押し込まれた。

 日本は31分、田中に代えてFW柿谷曜一朗、42分にはDF酒井宏樹を下げてDF酒井高徳を投入。なんとか1点を返しに攻勢を仕掛けた。43分には、武藤がゴール正面の位置から左足ミドル。だが、これは左ポストを直撃。札幌ドームのスタンドからは大きなため息がもれた。日本はツキにも恵まれなかった。

「3回のトレーニングでウルグアイと対戦するのは楽ではない。ウルグアイは世界のベスト8、ベスト10のチーム。そうしたチームと対戦して学ばなければいけない試合だった。彼らと同じレベルで対戦するなら、しっかり学んで努力しなければならない。ただゴールをプレゼントするだけではいけない。ああいったミスは避けなければならない」
 アギーレ監督がこう語ったように、世界の強豪との試合では1度のミスが致命傷となり得る。これをミスをした坂井のみならず、チーム全体が改めて肝に銘じなければならない。

 結果は完敗に終わったものの、終盤に途中出場したMF森岡亮太を含めて、4人の新たな戦力が国際経験を積んだ。その上で指揮官は「チームが負ける気持ちになる場面がなかった」ことを評価した。坂井も失点後は大きく崩れなかったし、武藤も見せ場をつくった。坂井が「すごくいい環境でプレーできたので、こういうところで長くプレーしたい」と語れば、前線で体を張った皆川も「(ボールを収める部分など)自分のなかでは手応えもある」と前を向いた。

 新戦力についてはこの試合で主将を務めた本田も「タレント性のある選手ばかり」と高評価だ。その上で、「ただ、甘やかしてもしょうがない。あくまでタレント性にすぎないということ。伸びるも伸びないも、化けるも化けないも本人たち次第」と更なるレベルアップを促した。新しい監督、選手、そしてこれまでの代表常連組――。これらが4年後のロシアW杯に向けて、いかに融合していけるか。ウルグアイ戦で払った授業料を無駄にしてはいけない。

(文・鈴木友多)
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